[メイン]
ダニエル・GM・ダービー :
ライト系戦闘RPルルブver.凄み
1.はじめに
このルルブは 「スタンド戦闘RPしてェなァ…」
「でも処理とか準備面倒臭いもんなルフィ」
「もっと気軽にGMやったり戦闘RPしたいだろ」
ってやつ向けに作ったルルブなのを教える
アドリブ卓とは大きく違うし簡易化された面もあるのでそこら辺は了承してくれ(^^)
2.大まかな概要
これはキャラの大まかな骨子や卓の間に行いたい事を小目標として設定し卓に臨み、RPを鍛えつつ、カッコイイ面白い戦闘RP卓を成立させて楽しむのが目的なことを教える。
可能なら最後にGMが小目標などを参考に感想を言い合いに行くとなおいいかもしれないな…ルフィ。
PvPを想定した卓だから、PL同士でしっかり相談して、どんな戦闘したいかを決めることを…勧める。
最初にどっちが勝つか決めるのも良さそうだろ 事前に1d100振って大きい方が勝つことにしてもいいよ~~~!!
3.キャラクリ
↓コレらを埋めて行く、来い。可能なら好きなだけ項目を増やしても良い事も教える。
名称:
年齢:
大まかな性格:(好戦的かどうかなど)
戦闘方法:(なるべく詳しく)
スタンド:(使わない場合省略も可)
負けの許容:(使ってるPCが負けてもいいかどうかと、負けた場合のPCの扱いの許容ライン)
━━秘匿でGMに送る項目━━
小目標:(絶対に達成すべきとまでではなく、プレイの間に意識したい事などでも良い)
4.シチュエーション等
基本的にはGMの自由。だがこの場合技能よりシチュエーションに自由度が依存する事が多いと思ってんので行ける場所/やれる事が多いシチュエーションを…勧める。
例 :闘技場、廃墟、夕焼け河原
あと、戦闘はセンシティブなものであることを教える
「模擬戦」なのか「殺し合い」なのか事前に決めることを…勧める
5.技能などの処理
もし従来のアドリブ卓のように技能を使いたい場合はこういう技能を使うので〇〇を起こしたいなどを考えた上でGMに提案し、GMの判断で通すか選んで欲しいだろ。
技能はもう設定がめんどくさくなることもあるのでその場その場で考えてくれ(^^)
キャラ的に自然な技能とかはPLが把握しておくことを…勧める。
6.おおまかな流れ
出航
↓
邂逅RP
↓
戦闘RP
↓
(可能なら感想会)
↓
宴だァ~!
7.最後に
極論GM.PLもやりやすい処理が軽くて、尚且つRPに重点を置くためのシステムなのでコレらは大まかな遊び方の骨子として考えてくれ(^^)
なによりもコンセンサスとお互いやられて嬉しいことを意識して遊ぶようにしたいな…ルフィ。
EX.キャラシの例
名称:シャンクス
年齢:39
大まかな性格:普段は能天気で大らかだけど、戦闘時は海賊らしくこわくて うゆ…白いちっち出ちゃうシャン… ちゃんと強敵相手には敬意を払うぞ 来い
戦闘方法:グリフォン(でかい剣)で斬るぞォ~!剣の腕は強いらしい(正確な描写が無い原作失せろ) あと武装色(カチカチに硬くなる)、見聞色(色んな声が聞こえる)、覇王色(威圧で気絶させる)の覇気が使える 強そうだろ
スタンド:キング・クリムゾン
【破壊力:A / スピード:A / 射程距離:E / 持続力:E / 精密動作性:? / 成長性:?】
時間を少しだけ消し飛ばして自分だけその飛ばした時間を自由に行動できる皇帝に見合う帝王のスタンド
負けの許容:四皇たる者の威厳見せることができたら、あとはどんな負け方してもいいよ~~~~!!
━━秘匿でGMに送る項目━━
小目標:相手の強さを褒めながら戦ってみたいシャン 俺が勝ったらトドメを刺さずに敢えて生かしてみるとかも大物っぽくてカッコ良さそうだろ やりてェなァ…
EX2.感想のススメ
感想と言うと少し抵抗があったりするかもしれないと思ってんすがね…でも実はそうでもない事を教える。
基本的に良い、と思った要素を書き出すだけでも大丈夫でそれが短くても感想は感想だろ。
「〇〇は駆け引きが上手過ぎだァ~~!」
「〇〇のキャラの戦い方カッコよくて左手が生えてきた」 とかでも構わない事を教える。
[メイン]
ダニエル・GM・ダービー :
【シチュエーション】
その日星が降った。
その星は、この世界の外に消え去った筈の力!
生物の秘められるべき真価を引き出す赤の仮面。
そして君たちは赤石の仮面の運命に巻き込まれて奇妙な闘いに身を投じる事になるのだッ!
[メイン]
ダニエル・GM・ダービー :
【キーアイテム】
赤石の仮面
・誰かが持っていてもいいぞ!
・身に着けたものは究極生命体に進化するぞ!
・赤石は取り外せるぞ!
[メイン]
ダニエル・GM・ダービー :
【細々】
・スタンドじゃなくて波紋でも流法でもいい…『凄み』を見せて『納得』のある戦闘をしてほしい。
・乱入可能だぞ!
・なんと無料で参加できちまうんだ!
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ : 『地区Aで負傷者、ゾンビに襲われたと報告です』
[メイン] 氷室 セナ : 「わかりました、すぐに向かいます」
[メイン] 氷室 セナ : 鞄を背負い、車庫を開けて
[メイン] 氷室 セナ : 装甲車に跨るが、運転手はいない
[メイン] 氷室 セナ : 「…スカイハイ」
[メイン] スカイハイ : 彼女の右腕にカエルのような物が張り付くと
[メイン] スカイハイ : 突如バチンと音が鳴り、装甲車のエンジンがかかる
[メイン]
氷室 セナ :
「…出発します」
そのまま一人でに動く装甲車を走らせて
[メイン] 氷室 セナ : そのまま、酷く騒がしい夜の街を駆けていくのだった…
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ :
[メイン]
:
───僕達は 孤独に死んだはず
ずっと ずっと 前に
[メイン]
:
誰に判る? 僕ではないと
コントロール
僕達は『制御』を失わない
[メイン]
:
あなたは向かい合っている
"世界を売った男"と
[メイン]
エイハブ :
「…………」
気づけば、俺は身元不明ではあるにも関わらず
SPW財団と呼ばれる組織に保護され、療養していた。
[メイン]
エイハブ :
それが、遡る事
一年前の話。
[メイン]
エイハブ :
今は───……SPW財団のエージェントとして
任務を遂行し続けていた。
[メイン]
エイハブ :
…………そして、その"今"
その日。地球上に、降り注いだ星が地上で爆ぜた。
[メイン]
エイハブ :
そこには、この世界において失われたはずの"過去"が
眠っていた。そしてその"過去"を巡り、すでに暗躍が始まっているらしい。
[メイン]
エイハブ :
だが、俺にとっては焦燥は無い。
むしろ……親しみさえ覚えていた───それは何故か。
[メイン] エイハブ :
[メイン]
エイハブ :
俺がSPW財団に保護された、あの日にも。
"星"は降り注いでいたからだ。
[メイン]
エイハブ :
……関連性は不明。
だが、財団のエージェントとして、そして……自分の為にも
今回の騒動を阻止、鎮圧するべきだと考えた。
[メイン] エイハブ : 「…………行くぞ"アヌビス"」
[メイン] エイハブ : 左腕の義手で、刀を握りしめる。
[メイン]
エイハブ :
「海の藻屑になるはずだったお前が……刀に言うのもおかしい話だが
なぜ『五体満足』になっているかも、わかるかもしれないぞ」
[メイン]
アヌビス神 :
「…………おれは元に戻れただけでも それで『十分』だ
だが、『石仮面』……それはおれがかつて仕えていた主を主たらしめたものだ」
[メイン]
アヌビス神 :
「好奇心に押されてやろう……だからエイハブ……
そろそろ、その右手でおれを握りしめろ……」
[メイン] エイハブ : 「断る」
[メイン] アヌビス神 : ……クソォオオ~~~~ッ!!! コイツ……!!!
[メイン]
:
こうして、一人の毒蛇は妖刀と共に往く……。
"108"の破片を、その肉体の中に眠らせながら。
[メイン] :
[メイン] :
[メイン]
:
[メイン]
:
[メイン] ディオ・ブランドー : 「苦痛は与えんッ!!!」
[メイン] ディオ・ブランドー : その瞳からとてつもない勢いの体液が発射されるッ!
[メイン] ジョジョ : グサ
[メイン] ジョジョ : 首筋に直撃!
[メイン] ディオ・ブランドー : 「もし神がいて運命がナンタラカンタラぁ!!!」
[メイン] ディオ・ブランドー : 「苦痛は与えん!!!」
[メイン] ジョジョ : 「……最後の……波紋……」
[メイン] ジョジョ : 「き……切れた……僕の中で大切な何かが……切れた……」
[メイン]
ジョジョ :
「ディオ…君のいうように
ぼくらはやはり ふたりでひとりだったのかもしれないな
奇妙な友情すら感じるよ…
そして今、ふたりの運命は完全にひとつとなった…」
[メイン]
ディオ・ブランドー :
「離せ…ジョジョォォ…離すんだ、考え直せジョジョ。
お前にも永遠をやろうではないか!
その傷も治す…エリナと永遠を生きれるぞ…ジョジョ!ジョジョ…!?」
[メイン] ディオ・ブランドー : 「……こいつ……死んでいる……」
[メイン]
ジョジョ :
一八八九年 2月7日
ジョナサン・ジョースター 死亡
[メイン]
ジョジョ :
[メイン]
ジョジョ :
[メイン] : そして……時代は流れ
[メイン] : 二〇XX年
[メイン] ジョジョ : 「……はッ!?」
[メイン] ジョジョ : 「ぼくは……ディオと一緒に客船の爆発に巻き込まれて……死んだはずッ!」
[メイン] ジョジョ : 「ディオは……」
[メイン]
ジョジョ :
見知らぬ地ッ!
ジョナサン・ジョースターはいつの間にか違う時代、違う土地に転移していたッ!
燃え尽きたはずの肉体を確かに携えてッ!
[メイン] ジョジョ : 「……ここがどこかはわからない……」
[メイン]
ジョジョ :
「しかし、行動しなければ……
このまま何もわからないというわけにもいかないッ!」
[メイン]
ジョジョ :
数奇な運命を辿り、数百年の時を経た
『ジョジョの奇妙な冒険』が始まるッ!
[メイン]
:
[メイン]
:
[メイン]
:
[メイン]
:
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ : 素早く街を奔る装甲車が一つ
[メイン] 氷室 セナ : 強固に張り付く一人を除いて、非常に乱暴な運転をそれでもこなす
[メイン] 氷室 セナ : 傍から見れば異常だが、速さのおかげでわからないといったところだ
[メイン] テネブレア :
[メイン] : そんな装甲車の前に、出る人影
[メイン] テネブレア :
[メイン] 氷室 セナ : 「ッ!?」
[メイン] 氷室 セナ : スパークが走り、ブレーキを掛ける
[メイン] 氷室 セナ : 「く…危ない」
[メイン] テネブレア : 私に後一歩で、という位置で止まる目の前の装甲車。
[メイン] 氷室 セナ : 「車道を歩くのは危険ですよ、すぐ歩道に戻ってください」
[メイン] テネブレア : 「……危ないわね〜☆」
[メイン] 氷室 セナ : 「こちらは緊急車両です、そうで無くとも夜の車道は危険です」
[メイン] 氷室 セナ : もう一度またがり
[メイン] テネブレア : 「うん…決めた。」
[メイン] 氷室 セナ : 「…?」
[メイン] テネブレア : 「あなたが良さそうだわ」
[メイン] テネブレア : 「私はテネブレア。貴方は?」
[メイン] 氷室 セナ : 「…」
[メイン] 氷室 セナ : 「氷室セナ」
[メイン] 氷室 セナ : 「ではさようなら、急ぎですので」
[メイン] テネブレア : 「セナちゃん………ねぇ?貴方」
[メイン] 氷室 セナ : 「…?」
[メイン] テネブレア : 「私とお友達にならないかしら?」
[メイン] 氷室 セナ : 「…何かの勧誘ですか?」
[メイン] 氷室 セナ : 「見ての通り、私は急ぎです」
[メイン] テネブレア : 「勧誘じゃないわ、純粋な興味よ」
[メイン] テネブレア : 「じゃあ、私も乗せていってもらおうかしら?」
[メイン] 氷室 セナ : 「…行き先が違います、救急車両はタクシーではありません」
[メイン] 氷室 セナ : 「これから怪我人の搬送に向かいますので」
[メイン] テネブレア : 「私なら怪我人も一瞬で直せるわよ〜?」
[メイン] 氷室 セナ : 「……?」
[メイン] 氷室 セナ : 「…生憎、医療的なオカルトは職務上大っぴらに関わるのは許されませんが」
[メイン] テネブレア : 「そういう類じゃないのだけれど〜☆」
[メイン] テネブレア : 私はそう言って、運転手の居ない装甲車の助手席に座る。
[メイン] 氷室 セナ : 「…兎も角、怪しい為…」
[メイン] テネブレア : 「あら、広いのね。」
[メイン] 氷室 セナ : 「……降りてください、行く先は危険です」
[メイン] テネブレア : 「実力で降ろしてみるかしら?」
[メイン] 氷室 セナ : 「……」
[メイン] 氷室 セナ : 「いいでしょう」
[メイン] 氷室 セナ : 一旦離れて
[メイン]
氷室 セナ :
「怪我人を一人追加」
無線機に
[メイン]
氷室 セナ :
「……これであれば、乗ってもいい」
そのまま無線機を掲げて
[メイン] 氷室 セナ : その手には
[メイン] スカイハイ : いつの間にか、奇妙な生物が
[メイン] 氷室 セナ : 「命令、スパーク…対象を気絶させてください」
[メイン] 氷室 セナ : そう命じると
[メイン] 氷室 セナ : 無線機の中、車両の節々から
[メイン] ロレンチーニャ : 奇妙な形をした"虫"が出現する
[メイン] ロレンチーニャ : そして、素早く車全体に
[メイン] ロレンチーニャ : 小さく、電流を流す
[メイン]
テネブレア :
「…………っっ!」
自身の体に電流が流れる。
[メイン] 氷室 セナ : 「麻痺しましたか」
[メイン] 氷室 セナ : そのまま車に乗り入る
[メイン] テネブレア : 「あぁ…良いわねぇ……セナちゃん。貴方からの愛を感じるわ〜☆」
[メイン] 氷室 セナ : 「…」
[メイン] 氷室 セナ : 「スパーク」
[メイン] テネブレア : 「………」
[メイン] ロレンチーニャ : もう一発、今度はテネブレアに直接叩き込むためか
[メイン] ロレンチーニャ : 手先に群がる
[メイン] ロレンチーニャ : そして、ゼリー状の物質を発生させ再び電流を流す
[メイン]
テネブレア :
「…………っあああ………!」
自身の体が痺れる。今までにないくらい激しいものだ。
[メイン] 氷室 セナ : 「降りるか、怪我人になるか」
[メイン] 氷室 セナ : 「早く決めてください」
[メイン] テネブレア : 「……もうこれは立派な怪我人じゃないかしら〜?セナちゃん?」
[メイン] 氷室 セナ : 「そうですか」
[メイン] 氷室 セナ : そのまま、椅子を蹴り上げて後ろのベッドに突っ込もうとする
[メイン] テネブレア : 抵抗しないで、ベッドに突っ込まれる。
[メイン] 氷室 セナ : 「出発します」
[メイン] 氷室 セナ : そのまま車の横に
[メイン] テネブレア : 「思ったより強引な子ね〜貴方…」
[メイン] ロレンチーニャ : 虫もまた、車の機材に入り込む
[メイン] 氷室 セナ : 「公務執行妨害相手ならこんなものです」
[メイン] 氷室 セナ : 「では」
[メイン] ロレンチーニャ : 規則正しい電圧で車両を起動
[メイン] 氷室 セナ : そのまま、現場に向かって走り出す
[メイン] テネブレア : 「あ〜このベッド思ったより快適ね〜」
[メイン] テネブレア : 「よく眠れそうだわ〜セナちゃん…」
[メイン] 氷室 セナ : 「怪我人は寝ててください」
[メイン] 氷室 セナ : しかし特に配慮は無く、激しい運転で
[メイン] 氷室 セナ : ガタガタと、装甲車は夜の闇に消えていくのだった
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] : ───……
[メイン]
:
遠方から聞こえる車の
悲しく響く騒音も、疎らになってきた中
ジョースター一行(といっても二人)は、気配を感知できるように
気を張り巡らせ続けていた。
[メイン]
エイハブ :
「───ゾンビはすでに一角で被害を出しているが
どうやらここは"まだ"ゾンビが広がっていないらしいな」
[メイン]
エイハブ :
増援こそ頼まれてはいない。
だが、それはつまりまだ未確認のエネミーの発見と
その一角から漏れたエネミーの排除という重大な任務を俺は兼ねているという事になる。
[メイン]
エイハブ :
「ジョジョ……波紋で敵を探知できるとも聞いたことがあるが
……本当に、できるのか?」
[メイン] ジョジョ : 「ああ、少し、何か液体を貰えるかい?」
[メイン]
エイハブ :
「───ああ」
中身が見える水筒……ボトルと言った方が近いか、ジョジョに渡す。
[メイン]
ジョジョ :
「……」
バチバチ、と音を立てて太陽の光が垣間見える
[メイン]
エイハブ :
「───これが波紋探知機、ってヤツか……」
太陽と等しい光。それが、この男の手元で確かに輝いている。
[メイン] ジョジョ : 「これで、近くの生命がどの方向にいるか分かるはずだ」
[メイン]
:
───水は、最初こそは光を垣間見せていただけだった。
[メイン] : しかし
[メイン] : 次の瞬間。
[メイン]
:
ドボンッッッッ!!!
そう、音を立ててボトルが弾け飛び───中身がアスファルトの上にぶちまけられた。
[メイン] エイハブ : 「!! ───これは」
[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?」
[メイン] ジョジョ : 「何か……何かとても強い力を持ったモノが、この近くにいるッ!」
[メイン]
エイハブ :
「何───……!!!」
瞬間、うだるような熱気は確かな殺気へと変わっていたのに気づき。
[メイン]
:
瞬間。
ジョナサン達の目の前に立ち並ぶ家々が、火を噴き。
そして───消し飛んでいく。
[メイン] ジョジョ : 「ッ、炎ッ!?」
[メイン]
エイハブ :
「ッッッッ……!!!」
飛んでくる木片、礫を躱しながら近くの遮蔽物となりえる電柱へと身を隠す。
[メイン] エイハブ : こ、これは……『パイロキネシス』か……!!?
[メイン] エイハブ : まさか───
[メイン] 第三の少年 :
[メイン] 第三の少年 : 「…………」
[メイン]
第三の少年 :
一人の少年が、爆炎の中から平然と姿を現す。
宙を浮かびながら。
[メイン]
エイハブ :
「───あれは……」
オセロットがこう言っていた───『第三の少年』
そして、俺の前に幾度もなく現れ……かつてヴォルギンと呼ばれていた男の思念に同調していた……。
[メイン] ジョジョ : 「……少年ッ!?少年が宙に浮いているッ!」
[メイン]
エイハブ :
「ジョジョ!! 気をつけろ───俺はあの子供を知っている……
"超能力"を使う……だが、彼はそれを制御しきれていない」
[メイン] エイハブ : 「……まさか、1984年からもう一人、来ていたとはな……」
[メイン]
第三の少年 :
ふわ、ふわ、と浮かんでいる少年の真下。
消し飛んだ家々に代わり、炎を揺らめかせる空間から───
炎に焼かれながら。
[メイン] : ───『ゾンビ』が現れるッ!!!
[メイン] ジョジョ : 「!」
[メイン]
エイハブ :
「……!!!」
そして、俺にとっての『初見』はあのゾンビ。
映画で目にするようなゾンビとは、また違う───……!
[メイン]
ゾンビ :
知性ッ! その欠片も無いッ!
ただ貪ろうとするのみッ!!!
ゾンビの群れが ジョジョ達へと襲い掛かる───!!!
[メイン]
エイハブ :
「どうやら───操っているようだな
『屍生人』を……!!!」
[メイン] ジョジョ : 「!下がってッ!」
[メイン] エイハブ : 「!」
[メイン] ジョジョ : 山吹色の光を手に纏わせて
[メイン] エイハブ : 言われた通り、その場から一歩、二歩と離れ───
[メイン]
ジョジョ :
サンライトイエローオーバードライブ
「『山吹色の波紋疾走』!!」
[メイン]
エイハブ :
───その光がジョジョを纏った途端
それが振るわれ……ゾンビへと打ち込まれるのを"目撃"するッ!!!
[メイン]
ゾンビ :
「!!!」
「ギャアアアアアアアア───z__!!!!」
[メイン]
エイハブ :
ゾンビ共が、煙を上げて
屈強な肉体がまるで水のように、虚空へと溶けていく……!
[メイン] ジョジョ : 拳が大きく屍生人たちに叩き込まれるッ!
[メイン]
ジョジョ :
「屍生人の相手はぼくがッ!
エイハブはその少年をッ!」
[メイン]
第三の少年 :
───それを見た途端、少年は
突如───…………
[メイン] 第三の少年 :
[メイン] ジョジョ : 「!?」
[メイン] 第三の少年 : 「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYY────ッッッ!!!!!!!!!!」
[メイン] ジョジョ : 「!!!」
[メイン]
エイハブ :
「わかっ───!!?」
なんだこの奇声は……!
[メイン] 第三の少年 : 近くに停まっていたロードローラーが静かに持ち上がり始める。
[メイン]
エイハブ :
「───くっ!!!」
少年を"撃つ"事はできない。
だが、たとえどうにかしようにも、この"ロードローラー"は突破できない。
[メイン] アヌビス神 :
[メイン] アヌビス神 : 「───エイハブ」
[メイン]
エイハブ :
「……ああ」
───忘れてはいないさ
[メイン]
エイハブ :
俺は、鞘から左腕の『義手』で引き抜いた───刀を爆炎の放つ光で光らせる。
「───頼んだ "アヌビス"」
[メイン] アヌビス神 : 「フッ───……どうせお得意のパターンだろうが」
[メイン]
エイハブ :
俺は、そのまま少年にとっての遮蔽物になると同時に
こちらへと今にも投げ込まれそうなロードローラーに向かい───
その妖刀を───
[メイン] エイハブ : 『投擲』するッ!!!
[メイン] エイハブ :
[メイン] アヌビス神 :
[メイン] アヌビス神 : ───『透過』
[メイン] ジョジョ : 「なッ!?」
[メイン] 第三の少年 : 「!!!」
[メイン] ゾンビ : 「ウッウワッ ギャアアアアアッ!!!」
[メイン]
エイハブ :
ゾンビ共も、向こうで巻き込み
"ロードローラー"をすり抜けて、アヌビスが切り刻んでいく───!
[メイン]
第三の少年 :
動揺し、ロードローラーを持ち上げるのを中断し
さらに高度をあげる。
[メイン] :
[メイン] : 『アヌビス神よ……』
[メイン] :
[メイン] アヌビス神 : 「!? な なんだァ~~……『今』のは……?」
[メイン]
アヌビス神 :
そのまま、ヴェノムに上手く弧を描くように投げられた刀はブーメランのように戻ってきて
ヴェノムの手元へと戻ってくる。
[メイン] ジョジョ : 「すごいッ!刀がモノをすり抜けたッ!」
[メイン]
エイハブ :
「───これは"スタンド"というらしい
『立ち向かうもの』あるいは……『傍に立つもの』……!!!」
[メイン]
ゾンビ :
理性の無さにつけこまれていたゾンビだが
少年が高度を上げた事によって、能力の及ぶ範囲から外れたのか……
[メイン]
ゾンビ :
今度こそ
ノミのように『血肉』を求め、迫るッ!!!
[メイン] ジョジョ : 「くっ!」
[メイン]
エイハブ :
「───援護する!」
ゾンビの頭部に向かい、銃弾を撃ち込んでいく。
[メイン]
エイハブ :
「トドメは───波紋使いでなければ、塵にはできないだろう
頼んだぞ……」
[メイン] ジョジョ : 「わかったッ!」
[メイン]
ゾンビ :
頭部を撃ち抜かれ、倒れていく者もいるが
それでも衰えない勢い───恐怖を微塵も感じない! まさに『ノミ』も同然ッ!
だがそれでも、あの男の前には歯が立つはずもないッ!
[メイン] ジョジョ : 手に持った鉄の棒を、まるでかの勇者の使った剣のように構えるッ!
[メイン]
ジョジョ :
メタルシルバーオーバードライブ
「銀色の波紋疾走!!」
[メイン]
ゾンビ :
疾走するッ!!! 銀の軌跡ッ!!!
ゾンビ達は次々と、あっけなくッ! まるで煮えたぎったアスファルトに撒かれた水のように蒸発していくッ!
[メイン] ゾンビ : 「ギャアアアアアアアアア───z___!!!!」
[メイン] ジョジョ : 「散滅すべし……」
[メイン]
エイハブ :
これが、波紋の戦士───
あの弾丸ではタダでは倒れない屈強なゾンビ共を……一瞬で塵へと還した……!
[メイン]
エイハブ :
「ジョジョ───流石だ
波打つようにこちらへと迫っていたゾンビを一瞬で、とはな」
[メイン] :
[メイン]
ザ・ワールド :
ド
ウ
ゥン
[メイン] アヌビス神 : 「───!!?」
[メイン] アヌビス神 : 「伏せろッ! テメーらッ!!!」
[メイン]
エイハブ :
「!?」
何かわからないが、アヌビス神には何か見えたらしい───
[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?」
[メイン]
ザ・ワールド :
その時、"見えない"にもかかわらず
その拳の風圧は、二人の目にたしかに捉えられ。
[メイン]
ジョジョ :
先程からの違和感……
ぼくが知るはずのない、だがよく知っているこの感覚……!
そんな……この感覚は……
[メイン] ジョジョ : 「『ディオ』・・・・!?」
[メイン]
エイハブ :
「ッッ!!」
風圧を感知し───何とか躱す。
[メイン] エイハブ : 「ジョ ジョジョ───!!! 躱……」
[メイン]
ジョジョ :
「ぐッ!!!」
その振るわれた不可視の拳を左腕で受けるッ!
[メイン] ザ・ワールド : 「───……」
[メイン]
:
不可視の拳を受け止められた瞬間
アヌビス神にだけは見えていた、そのスタンドは消えていく。
[メイン]
ジョジョ :
「何か……何か『いる』ッ!」
「これは一体ッ……いや、それ以前に」
[メイン]
第三の少年 :
「───URYYYYYY…………」
少年はそのスタンドに呼応するように、否、まるでこの少年が操っていたかのように、遠くへと飛んでいった。
[メイン]
ジョジョ :
その時ジョジョに蘇る、
かつての『親友』と拳を交わした記憶ッ!
[メイン] ジョジョ : 「……今の拳は……ディオ……?」
[メイン]
エイハブ :
「ディオ───? まさか……あの『DIO』か?
財団で聞いたことがある……1987年……空条承太郎によって討たれた……」
[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?」
[メイン]
ジョジョ :
ぼくの記憶と違う……
確かにディオはあの時……ぼくの腕の中に……
そして……船の爆発で……
[メイン] ジョジョ : 「ディオが……1987年に……?」
[メイン]
エイハブ :
「───『DIO』は、あんたの首から下を"持っていき"
100年間の眠りについていた、そして……俺とは違うが、いやむしろコイツが異端だが……」
妖刀を鞘に納め。
[メイン] エイハブ : 「スタンド、を持っていた」
[メイン] ジョジョ : 「……やっぱり、ディオは……」
[メイン]
ジョジョ :
ぼくは……ディオとの因縁に決着をつけることはできなかった。
それどころか、子孫にその後始末を任せてしまった……
[メイン]
ジョジョ :
子孫だけじゃなく、スピードワゴンの遺した者たちにも、大きく迷惑をかけただろう。
ぼくが……彼との『友情』に幕を閉じれなかったばかりに……
[メイン]
エイハブ :
「お前が今、受けた衝撃…………あれが『DIO』の物だとすれば
あの"少年"の思念……そこに介入しているのは、間違いなく死んだはずの『DIO』だ」
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン]
エイハブ :
「お前と、そして俺と同じように……過ぎ去った『過去』が
ゾンビのように……蘇ったのだろう。まるで……この世界自体が幻視(ファントム)を見ているように」
[メイン] ジョジョ : ……もしぼくが……許されるのならば……
[メイン] ジョジョ : ディオを受け止め切れなかったことが許されるのならば……
[メイン]
ジョジョ :
ぼくに今度こそ……ディオとの決着を付けさせてください……
彼との絡み合った運命を……今度こそ同じ場所で終わらせるために……
[メイン] ジョジョ : 「……スタンド」
[メイン]
エイハブ :
「───ジョジョ
そうだ。そして……スタンドは、"スタンド使いにしか見えない"」
[メイン]
エイハブ :
「このアヌビス神は、厳密には俺のスタンドではない
刀に宿ったスタンド……本体に依存しないスタンドだ
だから俺にも、囁き以外は聞こえないし、見えない」
[メイン] ジョジョ : 「……見えない力……」
[メイン] ジョジョ : 「ぼくたちは『見えないもの』と戦わないといけないのかッ!」
[メイン]
エイハブ :
「───いや、ジョジョ
俺達はもうすでに『見えないもの』と戦っている」
[メイン] エイハブ : 「───『時代』だ」
[メイン]
エイハブ :
「俺達の見た、そして生き抜いた『時代』からは変わってしまった『時代』
……だがその『時代』は、石仮面によって崩れかけている
時代は見えない生き物だが、確実に」
[メイン] ジョジョ : 「『時代』……」
[メイン]
エイハブ :
「スタンドも───その『時代』の生み出した生き物のようなものだ
俺達は常に見えない物と戦い続ける。いや俺達だけじゃあない、万人がそうだろう……
怖気づく事も、恐怖する事もないッ!」
[メイン] ジョジョ : 「そうだ……この『時代』に、あんなものが残っていてはいけないッ!」
[メイン]
エイハブ :
「そうだ───俺達は見えない物と戦う、そして見えない物を守り続ける
その為に、『石仮面』を破壊する……それが俺の任務であり、お前の……
人生を『マイナス』から『ゼロ』へと向かわせるッ!」
[メイン] ジョジョ : 「ああ……行こう……」
[メイン]
エイハブ :
「───ああ」
───蛇は『星』を見上げながら、再び歩を共にする。
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ :
[メイン]
エイハブ :
「───……」
失ったはずの、何かが ファントムペイン
いまだにあると感じる……その代表的な物が「幻肢痛」
[メイン]
エイハブ :
俺も、ジョジョも……
この世界の見せる幻視によって、「幻肢痛」に悶えている。
[メイン] エイハブ : …………
[メイン]
:
「メディック! 罠だ、人間爆弾か!」
「───ウオオオオオオオオッッッッ!!!」
「よせぇ───!」
[メイン]
エイハブ :
…………俺の脳裏に過ぎる、記憶。
だが何故か、その記憶は第三者が見たように僅かに遠く。
[メイン]
エイハブ :
スタンド
俺は、ジョジョの傍で、再び黙っていた。
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン]
ジョジョ :
ぼくもまた、何か奇妙な感覚を感じていた。
ディオの気配もあるのかもしれない。
[メイン]
ジョジョ :
だがそれ以上に……
『ぼく』が近くにもう一人いる。
[メイン] ジョジョ : そんな感覚が拭えない。
[メイン] ジョジョ : これは……スタンドなのか……?
[メイン]
エイハブ :
「───ジョジョ
おかしな事を訊くかもしれないが、お前は……何かを失ったことはあるか
…………俺"も"ある」
[メイン] ジョジョ : 「……ぼくは……」
[メイン] ジョジョ : 咄嗟に、過去を振り返って
[メイン] ジョジョ : 「……ある。だけど、それ以上に多くのものを貰ったよ」
[メイン]
エイハブ :
「───そうか
俺は……」
続けようとした、その時だった。
[メイン] マキマ :
[メイン] マキマ :
[メイン] マキマ : 「初めまして」
[メイン] ジョジョ : 突然話しかけられ、咄嗟に体勢を正して
[メイン] ジョジョ : 「あ、初めましてッ!」
[メイン]
エイハブ :
「───……」
声をかけられ、俺はそちらを見る。
[メイン] ジョジョ : 「……えっと、貴女は?」
[メイン] マキマ : 「すみません、ちょっといいですか?私は仮面と赤石を探しに来た公務員なんですが」
[メイン] マキマ : 「見つからないので私に協力してください。」
[メイン] マキマ : 「これは命令です」
[メイン]
エイハブ :
俺と同じ───SPW財団のエージェント、ではないか
"公務員"……国家をあげての捜査か、至極当然だが……?
[メイン] ジョジョ : ……!
[メイン] ジョジョ : 何かおかしい……
[メイン]
ジョジョ :
公的な人だし……
ただの変わったお願い事に思えるけど……
[メイン] ジョジョ : それ以上に、彼女の言葉からは不思議な『魔力』を感じるッ!
[メイン]
アヌビス神 :
!! なんだこの『女』
まるで深海を覗き見ているような……そんな───
[メイン] アヌビス神 : ───エイハブ!!
[メイン]
エイハブ :
「───……」
これは。
[メイン] マキマ : 「どうしましたか?」
[メイン]
エイハブ :
目を、合わせてしまった。
そして、聞いてしまった。
[メイン] エイハブ : 「───……わかった」
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン]
エイハブ :
───これは、俺の意思で吐いた"承諾"ではない。
『命令』によるもの……!
[メイン]
ジョジョ :
その『言葉』に違和感を覚えながらも……
……しかし、ここでその『何か』を口に出すのは……
[メイン] ジョジョ : 「……わかりました。目的は同じです」
[メイン]
エイハブ :
ジョジョは、この術にはかかっていないようだ。
彼は本心から承諾したのだろう。
だが───マズい……! 何かがマズい……
[メイン] マキマ : 「えぇ、私達の目的は同じです。私はマキマと言います」
[メイン] マキマ : 「よろしくお願いします」
[メイン]
エイハブ :
「俺は───エイハブ
コードネームは……ヴェノム・スネーク。よろしく頼む」
[メイン]
エイハブ :
零れるように、口からぽつぽつと、淡々と。
俺の意思に反して。
[メイン]
エイハブ :
「SPW財団の所属だ、そこでエージェントをしている
目的は赤石と石仮面の回収、あるいは破壊だ」
[メイン] マキマ : 「ふむ、そうでしたか。よろしくお願いします。スネーク。それで貴方は?」
[メイン] ジョジョ : 「……ジョナサン・ジョースター」
[メイン] ジョジョ : 「みんなからは『ジョジョ』って呼ばれているよ」
[メイン] マキマ : 「ではジョジョ、貴方もよろしくお願いします。」
[メイン]
エイハブ :
「…………」
睨みつける事すら、ままならない。
───たった一言でも、俺の、本心から"訊く"方法は……
[メイン] エイハブ :
[メイン]
エイハブ :
俺は、刀を引き抜き───
それを『右手』で握りしめた。
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ : 「おい───女」
[メイン] ジョジョ : 「!」
[メイン] ジョジョ : 隣の……エイハブの雰囲気が変わったッ!
[メイン]
エイハブ :
目を合わせないよう、目を閉じ───
耳も、なるべく澄ませないよう
[メイン]
エイハブ :
「単刀直入に訊く……アンタは回収した『石仮面』と
並びに『エイジャの赤石』をどう処理する?」
[メイン]
エイハブ :
「───”破壊”か?」
まるで、それだけしか選択肢を与えないように。
[メイン] マキマ : 「…………回収ですが」
[メイン]
エイハブ :
「……回収した、その"後"の話だ
お前が決める事じゃあないのか? 公務員らしいからな
だがそれにしたって、どう考えたって"破壊"が筋だろう」
[メイン] マキマ : 「それもそうですね。ですが…破壊するかはどうかは回収してから考えたほうがいいでしょう」
[メイン]
ジョジョ :
エイハブは……いや、エイハブに憑いているそれは……
確実に、何か確信を持ってこの女性を疑っているッ!
[メイン]
エイハブ :
「そうか、ならば……『コイツ』にかけた
そして……このジョジョとかいう坊主にかけようとした
『命令』とやらを取り消してもらおうか」
[メイン] アヌビス神 : 「───NOとは言わせん」
[メイン] マキマ : 「いいでしょう。取り消しましょう」
[メイン]
アヌビス神 :
…………"同じ"
他者を"支配"に置くタイプ、か……! やはり……!
だがスタンドとは違うッ……! なんだ、この何度かき分けても
眼の淵から雪崩れ込んでくるような"闇"は……!
[メイン] エイハブ : 「……その答えを待っていた」
[メイン] マキマ : 「ですが…貴方達は私に従うしかないのです。」
[メイン] エイハブ : 「…………ほお」
[メイン] マキマ : 「この国を、より良くするためにも」
[メイン]
エイハブ :
「───国に尽くす、か」
刀が、義手の方へと戻ると、その目はまた静かに、そして重い物となり。
[メイン] アヌビス神 : ……これで一度きりだぞ、エイハブ……!
[メイン]
ジョジョ :
……やはり、彼女の中には何か深い……
闇……いや、底知れないものがある……!
[メイン]
エイハブ :
「できれば……この刀をこういった状況で振るいたくもない
それに……ジョジョも、黙ってはいないだろう
国をより良くする為、そうアンタが思うのは勝手だが」
[メイン]
エイハブ :
「俺達の目的は"石仮面"の破壊……
そこは曲げない……そして俺達の『意思』で動く」
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン] マキマ : 「ふむ。」
[メイン] マキマ : 「では私も同行しましょう」
[メイン] マキマ : 「この目で、破壊される所を見るためにも。」
[メイン]
エイハブ :
「…………そうか
俺も、早計だった。アンタが考えを改めてくれた事、感謝する」
額に汗をにじませながら、刀を納める。鯉口を寛がせる事も、今はしない。
[メイン] マキマ : 「えぇ。今度こそ、よろしくお願いします。ジョジョ。スネーク。」
[メイン] マキマ : 右手を差し出す。
[メイン]
エイハブ :
───……
俺は、ジョジョがその手を取る前に、一歩前へ踏み出し。
[メイン] エイハブ : 左手───『義手』で握手をする。
[メイン] ジョジョ : ……
[メイン]
マキマ :
「………まぁいいでしょう」
不恰好ではあるが、握手が出来ましたから。
[メイン] ジョジョ : 「……時間は限られています。行きましょう」
[メイン] マキマ : 「えぇ、行きましょう。」
[メイン]
エイハブ :
「ああ、そうだな───」
不格好になってでも、あの手を───どうしても触りたくなかった。
握らなかった方の、右手に汗が滲んでいた。
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ : 夜の街、喧騒も収まった…と思っていたのに
[メイン] 氷室 セナ : 異常なまでの破壊の後を、其処に感じる
[メイン]
神原駿河 :
「……こ、これは」
[メイン] 氷室 セナ : 「…スタンド使い、でしょう」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] 氷室 セナ : 「おそらくは、相当な敵意を…いや無差別?」
[メイン] テネブレア : 「ん…うぅ………」
[メイン] 氷室 セナ : 「…テネブレア」
[メイン] テネブレア : 「ままぁ………おっぱい…………」
[メイン] 氷室 セナ : 「…ちょっと、勘弁してください」
[メイン] 氷室 セナ : 渋い顔をしつつ
[メイン] 神原駿河 : 「……粉ミルクとか、買っておいたが」
[メイン] 氷室 セナ : 「ああ、仕方ないですね…」
[メイン] 七七 : 「……するが。あっちむいとく?」
[メイン] 神原駿河 : 「いや、おっぱいは出ないようだ」
[メイン] 氷室 セナ : 「粉ミルク使いますよ…」
[メイン] 神原駿河 : 誠に残念ながら
[メイン] 氷室 セナ : 「お腹空いてますか…テネブレア」
[メイン] 神原駿河 : 遺憾ながら
[メイン] テネブレア : 「ままぁ…」
[メイン]
神原駿河 :
無しだ、OK?
[メイン]
氷室 セナ :
「…はぁ…」
どうしたもんかと思いつつ
[メイン] 神原駿河 : 何かに語りかけるように、カンバルは涙を飲んだ
[メイン] 氷室 セナ : 水筒に粉ミルクを混ぜて、ロレンチーニャで加熱させる
[メイン]
七七 :
「……」
その顔を不思議そうに覗き込む。
[メイン] 神原駿河 : そこら辺に座り込むと、石ころを回している
[メイン]
氷室 セナ :
「どうぞ、ほら」
テネブレアに飲ませる
[メイン] テネブレア : 「んっ……んっ……」
[メイン] 神原駿河 : 左腕に“牙”を展開して、その爪の回転に合わせて石ころを回す
[メイン] テネブレア : 「ままぁ……だいすきぃ………」
[メイン] 氷室 セナ : 「…はぁ」
[メイン] 氷室 セナ : そんな事をしつつ、道を歩いている
[メイン]
神原駿河 :
「……形が悪いな」
ガリガリとタスク、”牙“で石の形を変えていく
[メイン] 七七 : 「おお。」
[メイン] 神原駿河 : 「便利だ、もうハサミ要らずだな」
[メイン] 氷室 セナ : 「…おや」
[メイン] 神原駿河 : 綺麗にカットした石を七七にあげると、自分の分をもう一個削り出す
[メイン] 七七 : 大事そうに掲げてそれを眺める。
[メイン] 牙 : カットされた石の上で、ふわふわと空を見上げている
[メイン]
神原駿河 :
……何故だろうか、私のスタンドは
どうにも足りない様に見える
[メイン] 神原駿河 : こんな姿の物も少なくはないのだろうが……何か、不足している
[メイン] 神原駿河 : 「ッ…!」
[メイン] 氷室 セナ : 「…?」
[メイン] 神原駿河 : ……そう考えると、少し頭痛がした
[メイン] 氷室 セナ : 「…まあ、兎も角戻りましょう」
[メイン] 氷室 セナ : 「この攻撃の主人に会ったら大変だ」
[メイン] 神原駿河 : 「……そう、だな」
[メイン] テネブレア : 「ままぁ……」
[メイン] 神原駿河 : 「もう暗いし、そろそろ宿を取ろう」
[メイン]
七七 :
「……」
攻撃の爪痕を眺めつつ
[メイン] 氷室 セナ : 「私の施設で泊まれますよ」
[メイン] 神原駿河 : 「それはありがたい…!」
[メイン]
七七 :
「するが。いっしょに寝てもいい?」
くいくいと制服の裾を引っ張って
[メイン] 神原駿河 : 「勿論、ここら辺は危ないし……一緒の部屋で寝ることになるかもな」
[メイン]
:
───束の間の"平穏"
[メイン]
:
闇に溶け込むように、その平穏を軋ませ
そして踏み抜く存在が、ふわりと空へと浮かんでいた。
[メイン] 第三の少年 :
[メイン] 第三の少年 : 「…………」
[メイン] 氷室 セナ : 「…ッ!?」
[メイン] 氷室 セナ : 見上げて
[メイン] 神原駿河 : 「────ッ!?」
[メイン] 神原駿河 : 「な、なんだ!?」
[メイン] 氷室 セナ : そのまま、テネブレアを横に
[メイン] テネブレア : 「ままぁ…?」
[メイン] 神原駿河 : 「七七、私の後ろに!」
[メイン]
第三の少年 :
「───」
じっと、マスク越しでありながらも
視線を送っている事は、間違いなく。
[メイン]
七七 :
「……」
ぴょい、と。
[メイン] 氷室 セナ : 「テネブレア、静かに」
[メイン] 氷室 セナ : 「危ないので」
[メイン] テネブレア : 「ん………………」
[メイン] 神原駿河 : 「おいっ!そこの浮いてる君!」
[メイン]
第三の少年 :
「…………」
逆立った髪が靡き、マスクに緑色のハートマークの意匠が目立つ。
声をかけられても、反応したのか、していないのか。
[メイン] 神原駿河 : 「……私達から君を害するつもりはない!縄張りだというのならすぐ出て行く!」
[メイン] 氷室 セナ : 「…!」
[メイン] 氷室 セナ : 記憶に、ある
[メイン] 神原駿河 : 「だが、敵ならば容赦はできない!!」
[メイン] 氷室 セナ : この…この見た目は
[メイン]
第三の少年 :
「───……」
神原が、『敵ならば容赦はできない』───
[メイン] 氷室 セナ : 「…神原!」
[メイン] 神原駿河 : 爪弾を手に浮かばせ、相手に向ける
[メイン] : そう、言った途端である。
[メイン] 神原駿河 : 「な──」
[メイン]
ザ・ワールド :
ド
ウ
ゥン
[メイン] 七七 : 「……え」
[メイン] テネブレア : 「………………?」
[メイン] 氷室 セナ : 「っ!!」
[メイン] ザ・ワールド : それは───突如としてセナの眼前に現れる。
[メイン] 氷室 セナ : 「なッ…」
[メイン] ザ・ワールド : そして、その拳は空を切り裂き。
[メイン] 神原駿河 : 「────セナァァ!!!」
[メイン] 氷室 セナ : ロレンチーニャの警戒網が、捉えきれず
[メイン] : ドゥウンッッッ!!!
[メイン] 氷室 セナ : 「がッ、は」
[メイン]
:
華奢なその身体を、容赦なく───
ぶち抜いた。
[メイン] 神原駿河 : 爪弾を乱射して、金色のスタンドへ襲い掛からせる
[メイン] 氷室 セナ : そのまま、吹き飛ばされて
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン] 七七 : 「………!!」
[メイン] テネブレア : 「ままっ!!!!ままぁっっっ!!!!!」」
[メイン]
ザ・ワールド :
乱射された次の瞬間。
その金色のスタンドは、少年の隣へと移動しており。
[メイン] 七七 : すぐに大地を揺らし、透明なそれたちと臨戦態勢に━━
[メイン] 氷室 セナ : ガチン、と
[メイン] 神原駿河 : 「────な」
[メイン] 氷室 セナ : 電灯にぶつかり、へし折って
[メイン] 神原駿河 : 「貴様ァァ!!一体何の真似だ!!!」
[メイン] 氷室 セナ : やっと、勢いがなくなり、落ちる
[メイン]
ザ・ワールド :
───避けた。
否、まるで平然と、当たり前のようにそこにいた。
[メイン] テネブレア : 「…っっ!!!!!ままぁ!!!ままああああああああ!!!!」
[メイン] 神原駿河 : 「唐突に、セナを……!!」
[メイン] 神原駿河 : 「何故だッ!?」
[メイン]
第三の少年 :
「…………!」
その時───
[メイン] 氷室 セナ : 「ッ、は、あ」
[メイン] 第三の少年 : 少年の髪色が、桃色へと変わる。
[メイン] 第三の少年 : 「……ママ」
[メイン] テネブレア : セナの元へと、駆け寄る。
[メイン] 神原駿河 : 「……は?」
[メイン]
第三の少年 :
「…………ママ?」
金色のスタンドが、突如として姿を消す。
[メイン] 氷室 セナ : 「…テ、ネブレア」
[メイン] 氷室 セナ : 左手を、腹に当てるが
[メイン]
七七 :
「…………」
宙に浮かぶそれを睨みつけたまま
[メイン] 氷室 セナ : …成る程、重傷…いや致命傷、か
[メイン] テネブレア : 「ままぁっっ!!!ままぁぁぁぁあああああああ!!!!」
[メイン] 神原駿河 : 「七七、テネブレアと一緒に逃げろ!!」
[メイン] 氷室 セナ : 「…大丈夫」
[メイン] 神原駿河 : 「アイツは……私がッ!!」
[メイン] 氷室 セナ : 右手を伸ばして、安心させようとすると
[メイン]
第三の少年 :
「ママ───
ママァアアアアアアアアァアァアアアアアアアア───!!!!!!」
瞬間、まるで"次元"を飛び越えてきたかのように
少年は───ゾンビの群れをどこからともなく。
[メイン] 氷室 セナ : よく見れば
[メイン] スカイハイ : スカイハイのヴィジョンが、薄れている
[メイン] 神原駿河 : 「────ナニィィイイイ!!???」
[メイン] ゾンビ : 「ウオオオ ウオオオオオオオ───z___!!!」
[メイン] 七七 : 「……せな……!」
[メイン] 氷室 セナ : 「…ッ、く」
[メイン] 神原駿河 : 「くっ……“牙”ァァ!!」
[メイン] テネブレア : 「ままぁぁぁ……!!ままっ…ままっ……」
[メイン]
氷室 セナ :
「にげ、て…」
霞む視点で、確かに屍生人を見て
[メイン] 神原駿河 : 横向きに降り頻る雨のように爪弾を乱射しながら、それでも押されて後ろへと下がる
[メイン]
第三の少年 :
───「ママ」
その言葉と、何より感情が頭の中で反復し
増幅し続ける。
[メイン] 神原駿河 : “牙”の弾数に限りは無く、威力は揚々とゾンビの頭を切り飛ばす、が
[メイン] 氷室 セナ : スカイハイのヴィジョンが、完全に消える
[メイン] 神原駿河 : “多すぎる”
[メイン]
第三の少年 :
気づけば───一瞬、その少年の傍に佇んでいたのは
『ウサギ』のような頭部の───……
[メイン] :
[メイン] : 『───落ち着くのだ マンティスよ』
[メイン] : 『お前は……私だ』
[メイン] :
[メイン]
ザ・ワールド :
ド
ウゥン
[メイン]
ザ・ワールド :
ゾンビの群れを殴り飛ばし、掻き分け───
爆炎と共に再び、そのスタンドが現れる。
だが、それは決してヒーローではない。
[メイン] ザ・ワールド : セナを、彼女の華奢な体を"粉砕"しようとしたスタンド。
[メイン] 七七 : 「……!!……するが!!」
[メイン] 神原駿河 : 「させるッものか!!」
[メイン]
テネブレア :
「ままっ……………っっ!!!ままぁ………っ!ままぁぁ………」
[メイン] 神原駿河 : 勢いよく前進する金色色の敵へ向け、十の砲身から爪弾を乱射
[メイン] テネブレア : ……に…啜り泣く。
[メイン] 神原駿河 : 「この距離ならッ!!」
[メイン]
第三の少年 :
「……!! ……………」
テネブレアを凝視し、動揺を続けながらも
再び、髪が逆立ち───縁のハートをマスクに浮かべる。
[メイン] ザ・ワールド : ───……
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン] : 瞬間、その爪弾は
[メイン] : いつのまにか、真下のアスファルトを抉っていた。
[メイン] 神原駿河 : 「……は?」
[メイン]
ザ・ワールド :
「───」
ニヤリと、間違いなくそのスタンドは不敵な笑みを浮かべる。
[メイン] 神原駿河 : 狙いを定め、渾身のタイミングで放った攻撃を躱され唖然とする
[メイン] 七七 : 「……っ……!」
[メイン] 神原駿河 : ────迎撃が、見えない?
[メイン] ザ・ワールド : 再び、まるで虚空を圧縮するように拳を握りしめる。
[メイン] 七七 : 「するがは……渡さない……ッ!」
[メイン]
ザ・ワールド :
───そして
その圧倒的"破壊"を再び振り下ろさんとした。
[メイン] 七七 : 神原の前に、手を真横に開いて立ちはだかる。
[メイン] 氷室 セナ : ボコ
[メイン] 神原駿河 : 「あ、──七七」
[メイン] 氷室 セナ : 瞬間、セナの貫かれた腹から
[メイン] : 『───なんだと?』
[メイン] 氷室 セナ : 卵が一つ飛び出す
[メイン]
ザ・ワールド :
「!!」
ピタ───z___ッ
[メイン] 氷室 セナ : ボコ、ボコと
[メイン]
ザ・ワールド :
その、突如飛び出した未知の、可能性を秘めたそれに警戒してか
拳を緩め、すぐに後方へと飛ぶ。
[メイン] テネブレア : 「……………ままぁ……?」
[メイン] 氷室 セナ : 腹の傷が蠢いて、卵を吐き出して
[メイン] 氷室 セナ : 更に、穴が埋め直される
[メイン] 七七 : ……その奇妙な静けさに、閉じた目をゆっくりと開く。
[メイン] 神原駿河 : 「────な、に……!?」
[メイン]
ザ・ワールド :
そして───その奇妙な静けさはこのスタンドにとって
茹だるような熱気であった。
[メイン] テネブレア : 「ままぁ………!」
[メイン] スカイハイ : もう一度右手にヴィジョンが発生すると
[メイン] 神原駿河 : 目を見開いた途端、周囲の状況が一変していた
[メイン] ロレンチーニャ : 虫が辺りから湧き上がり、セナの心臓部に群がり
[メイン] ロレンチーニャ : 一瞬、激しいスパークを発生させる
[メイン] 氷室 セナ : 「がッ、は、く…う」
[メイン] 神原駿河 : 「……コレは、一体何が」
[メイン] ロレンチーニャ : 電圧によって、AEDの動作を無理矢理引き起こし、心臓を再始動
[メイン] 神原駿河 : 「七七、セナは今生きてるのか?」
[メイン] テネブレア : 「ままっ…!ままっ!!ままぁぁっ…!!!」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] 氷室 セナ : 「…ふ、ん…」
[メイン] 氷室 セナ : 腹には、服に突き破られた穴はあるが
[メイン] 氷室 セナ : 肉体は、確かに塞がっている
[メイン] 氷室 セナ : そして、辺り一面に奇妙な卵
[メイン]
神原駿河 :
「…‥コレは、“卵”だ」
「見たことがない形だけれど、確かにそうだッ!」
[メイン] 氷室 セナ : 「…スカイハイ」
[メイン] 氷室 セナ : 右手を握り込むと
[メイン] 氷室 セナ : 卵が一斉に孵化し
[メイン] 七七 : 「……たまご?」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 「ウシャアーッ!!!」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 奇妙な生物が、殻を捨てて立ち上がる
[メイン] 氷室 セナ : 「…記憶の一切が、私には役に立たなかった」
[メイン] テネブレア : 「ままぁ……」
[メイン] 氷室 セナ : 「このスタンドは、私のスタンドだが私のスタンドじゃない」
[メイン] テネブレア : ママの手を握る。
[メイン] 神原駿河 : 「……つまり、どういうことだ!?」
[メイン]
氷室 セナ :
「得て、数年は無駄だと思ってた、けど」
テネブレアの手を握りつつ
[メイン] 氷室 セナ : 「…私が操る生き物は、ずっと別だったわけだ」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : その爬虫類とも両生類とも違う生き物は
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 素早く、黄色いヴィジョンを目指して走り出す
[メイン]
神原駿河 :
「────まさか、コレは」
「ロレンチーニャに続く、スカイハイの影響下にある生物」
[メイン]
:
『───まずい……
コイツら…………! 『魂の掃除屋』かッ!!!』
[メイン] 氷室 セナ : 「私は、疑問に思っていた」
[メイン]
:
『世界(ザ・ワールド)』ッ!!!
[メイン] 氷室 セナ : 「人は精神故に人たりえるなら」
[メイン] 氷室 セナ : 「身体が死んでも世界に人が溢れてしまう」
[メイン] 氷室 セナ : 「ただ、成る程…考えてみれば簡単だ」
[メイン] 氷室 セナ : 「そんな仕掛けにも、更に整理する『仕掛け』はある!」
[メイン] 神原駿河 : 「『スカイハイ』の……いや!!」
[メイン] 神原駿河 : 「セナの新たな仲間かッ!!」
[メイン] 氷室 セナ : 「『未知』は打破した」
[メイン] 氷室 セナ : 「お前にも、知ってもらうぞ」
[メイン] 氷室 セナ : 「…吸血鬼の"亡霊"!」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 瞬時に、ザ・ワールドに飛びかかる
[メイン] :
[メイン] : 『ほお 理解していたとはな』
[メイン] : 『少しだけ褒めてやるぞ───が』
[メイン] ザ・ワールド : 「時間は止めれば───とるに足らんはずだ」
[メイン]
ザ・ワールド :
───『世界』!
時よ止まれいッ!!!
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン]
ザ・ワールド :
「まさか な」
───魂の掃除屋を、凝視する。
[メイン] 『魂の掃除屋』 : しかし、魂は止まらない
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 魂の世界に『時間』の概念は無い
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 全ては、掃除されるその瞬間まで風化しない
[メイン]
ザ・ワールド :
「───!!!」
追跡。"世界"を超えた───『時間』の存在しない追跡……!
すでに肉体を超越した……存在であるがゆえに……!
[メイン] 『魂の掃除屋』 : "時間の幽霊は居ない"
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 「ウギシャアアァァァァッ!!!」
[メイン] 第三の少年 : ───その時。
[メイン]
第三の少年 :
少年が、腕を広げ───
『世界』と、『掃除屋』の間に爆炎を起こす。
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 「グギッ」
[メイン]
第三の少年 :
『世界』を操っているのは───
おそらく『DIO』だが、何かしらの理由でこの少年を『経由』している。
[メイン] 第三の少年 : この少年もまた、時間の止まった世界に”入門”していたッ!!!
[メイン]
ザ・ワールド :
「───時は、動き出す……チッ!」
少年の傍まで戻ると、その姿を消し。
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 「クキィ」
[メイン] 神原駿河 : 「……!?」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : べちょり、地面に落ちるが
[メイン]
神原駿河 :
瞬間、熱波が顔に突き当たり
手で前を覆う
[メイン] 氷室 セナ : 「…噂は本当、か」
[メイン] 七七 : 「……ううう」
[メイン] 氷室 セナ : 「"時間に干渉するスタンド"」
[メイン] 神原駿河 : 「い、今…あのスタンド、あの生き物から逃げたのか!?」
[メイン] 氷室 セナ : 「…ええ」
[メイン] 氷室 セナ : 「この生き物は、魂を掃除する生物」
[メイン]
第三の少年 :
「…………」
そのマスクの奥。その表情はわからない。
だが、おそらくその表情はきっと、マスクをかぶった『彼』の物ではない。
[メイン] 神原駿河 : 「……スタンドの天敵じゃないか」
[メイン] 氷室 セナ : 「魂の分身で体からはみ出るスタンドは」
[メイン] 氷室 セナ : 「…そう」
[メイン] スカイハイ : ぐっと、右手を構え直し
[メイン] 氷室 セナ : 「確か…」
[メイン] 氷室 セナ : 「お前のスタンドは、"世界"の暗示だったと聞いた」
[メイン] 氷室 セナ : 「…なら、あらためて言っておく」
[メイン] 氷室 セナ : 「この生き物は"世界の自浄作用"」
[メイン]
氷室 セナ :
「追い込め!スカイハイ!」
もう一度、命令を走らせる
[メイン]
第三の少年 :
「…………」
"少年"は語らない───だが。
[メイン] : 「完全制覇、完全攻略、正確無比、永遠不滅。」
[メイン] : 「それが、『世界』の正位置だ」
[メイン]
ザ・ワールド :
ド
ウ
ゥン
[メイン] ザ・ワールド : 「物知りなキサマなら わかるだろう」
[メイン] 氷室 セナ : 「…ふむ」
[メイン]
ザ・ワールド :
「ザ・ワールドはまさに最強のスタンド
だが───そのスタンドの使い手が……"人間"ではないことも、また」
[メイン] 氷室 セナ : 「…ええ」
[メイン] 氷室 セナ : 「少なくとも、アンタの本来の本体は…」
[メイン] 牙 : コショコショ
[メイン] 氷室 セナ : 「『吸血鬼』」
[メイン] 神原駿河 : 「…ッ!」
[メイン] 七七 : 「まさか……!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「そうだ───」
拳を構え、今度は───時間停止は、不要。
[メイン]
ザ・ワールド :
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ───!!!!!!」
[メイン] 氷室 セナ : 「スカイハイッ!」
[メイン] ザ・ワールド : 『掃除屋』に、叩き込むッ!!!
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 一匹、二匹、三匹
[メイン] 神原駿河 : 「──なっ!?」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 襲い掛かる掃除屋は、儚く砕ける
[メイン] 氷室 セナ : 「…そうね」
[メイン] 氷室 セナ : 「魂の存在は、いわば」
[メイン]
ザ・ワールド :
凄まじいスピード。
突きの速さ比べ。それは───"ある瞬間"までのあの男にすら勝っているほど。
[メイン] 氷室 セナ : 「グラスのない"注がれた水"」
[メイン] 氷室 セナ : 「本来、形を保ち得ない存在」
[メイン] 氷室 セナ : 「スタンドであれば、精神を持って器を」
[メイン] 氷室 セナ : 「人間には肉体を」
[メイン] 神原駿河 : 「……つまり、水を拭うのが仕事の掃除屋は、氷相手に弱いというわけかッ!!」
[メイン] 氷室 セナ : 「…掃除屋にはそれが無い」
[メイン] 氷室 セナ : 「…そう、どうであれ、脆い」
[メイン] 氷室 セナ : 「…なら、まあ」
[メイン] 氷室 セナ : 「根比べにしよう」
[メイン] ザ・ワールド : 「───"根比べ"だと?」
[メイン] スカイハイ : スカイハイのついた腕を
[メイン] 神原駿河 : 「……そういうわけかッ!」
[メイン] スカイハイ : 自身に突き立てると
[メイン] スカイハイ : そのまま、再び無数の卵を噴き上げる
[メイン] 神原駿河 : 両腕を前に構え、ザ・ワールドに狙いを付ける
[メイン] 氷室 セナ : 「お前にも分かるはずよ」
[メイン] 氷室 セナ : 「世界というあまりにも膨大なリソース」
[メイン] 氷室 セナ : 「時を干渉する程の力が、お前『世界』なら」
[メイン] 氷室 セナ : 「私のは、世界中の生物を掃除する"程"」
[メイン]
ザ・ワールド :
「───何ッ!!」
だが、スタンドは精神力によって成長する。
ましてや、そのスタンドが何かを"支配"する能力であれば───まさに、このDIOのように……。
"わかっていた"が……
[メイン] 氷室 セナ : 「地球が生まれて数億と二千と数十年」
[メイン] 氷室 セナ : 「生物は、せいぜい数万」
[メイン] 氷室 セナ : 「人類は更に短く切り取り数世紀」
[メイン] 氷室 セナ : 「魂は、お前が確か一人に付き10gと仮定していた」
[メイン] 氷室 セナ : 「…さて、お前はこれから」
[メイン] 氷室 セナ : 「全ての魂を掃除して余りある総量をぶつけさせて貰う」
[メイン]
『魂の掃除屋』 :
「ピギーッ」
「ギャーイ」
「ウギイイイイ」
[メイン] 神原駿河 : 「……ついで程度の爪弾もある、まあ、オマケのような物だがな」
[メイン]
ザ・ワールド :
「だが───……"人"は"成長"し
目覚ましい発展を遂げた、だろう
ともすれば、その人間すら『超越』したこのDIOが───そしてこの俺を
粉砕した……ジョースター家の『魂』が───10グラムぽっちで済むと」
[メイン] 牙 : コショコショ
[メイン] 神原駿河 : ……さっきから鳴かないな
[メイン] 氷室 セナ : 「そうね」
[メイン]
ザ・ワールド :
「思っているのか
───その生物を操るキサマもまた……『人間』だ」
[メイン] 氷室 セナ : 「そう、私は人間」
[メイン] 氷室 セナ : 「少なくとも、お前みたいに」
[メイン] 氷室 セナ : 「この生き様に欲張るほどの強欲さは無いッ!!!」
[メイン] 氷室 セナ : 「スカイハイッ!!!奴を全て飲み込めーッ!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「…………───減らず口を叩きおって
───ザ・ワールドッ!!!」
ド
ウ
ゥン
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 今度は倍の数を引き連れて
[メイン] 『魂の掃除屋』 : その間にも卵は地面から湧き出して
[メイン] 牙 : 無言で射出された爪弾が、ザ・ワールドの寸前で静止する 合計九発
[メイン]
ザ・ワールド :
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!!!」
[メイン] 七七 : 「……知ってる?生き物ってさ」
[メイン] 七七 : 「……たとえ死んでも。その『魂』は……形を変えず、残ってるの」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 弾ける、弾ける、弾ける
[メイン] 七七 : もぞもぞと、破壊されたはずの『掃除屋』を━━復元し続ける。
[メイン] 牙 : 蹴散らされる爪弾、まだ まだ足りない
[メイン] 牙 : そんな中、今も牙は何かを囁いている
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 透明な掃除屋が
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 凶暴さを増し暴れだす
[メイン] 牙 : ……“止まった、時の中でも”
[メイン] 牙 : 「Movere Crus」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 「グバァア──ッ!!!」
[メイン] 牙 : そう、左腕に向かい囁き続けている
[メイン]
ザ・ワールド :
───やはりこの『掃除屋』を真っ向から潰し続けるのは至難。
が、このDIOが、このDIOが───…………ここで食い倒されるとでも思っているのかッ!!!
時は、動き出す───……!!!
[メイン]
第三の少年 :
瞬間、少年の介入が入る。
爆炎が───再び燃え広がるッ!!
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 炎に巻かれるが
[メイン] 神原駿河 : 「また、コレか──ッ!?」
[メイン]
ゾンビ :
「ウオオオ ウオオオオオオオ───z___!!!」
そして、ゾンビによる───肉壁ッ
[メイン] 左腕 : シルシルシルシルシルシル
[メイン] 氷室 セナ : 「…ッ!」
[メイン] 七七 : 「━━ッ!ぐぅ…ッ!」
[メイン] 神原駿河 : 「……?」
[メイン] 氷室 セナ : 「波紋は足りない…多すぎる」
[メイン] 神原駿河 : 「……おかしい、全弾、放った筈」
[メイン] 七七 : 「……っ……するが、その腕……!?」
[メイン]
ザ・ワールド :
「どうだゾンビの肉壁は───…………?」
なんだ、この妙な悪寒は。
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 掃除屋は、ゾンビの魂を食らい
[メイン]
左腕 :
一本だけ、爪弾が残っている
だが
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 別の生き物に変質させるが、ザ・ワールドには届かない
[メイン]
左腕 :
回転方法が、おかしい
歪んだ腕の指を軸にして、他の指とは違う回転を続けている
[メイン]
神原駿河 :
「……もういいッ!!」
「とにかくお前も行けぇぇ!!」
[メイン] 神原駿河 : 躊躇なく、全く別の回転を続ける爪弾を、ザ・ワールドへ向けて射出した
[メイン]
第三の少年 :
「───!!!」
少年が、『DIO』の意思に引っ張られ
ザ・ワールドをこちらへと手繰り寄せるように、引き寄せる。
[メイン]
ザ・ワールド :
「───」
あの『回転』は何だッ!!
[メイン] 氷室 セナ : 「…神原!?今のは!?」
[メイン] 神原駿河 : 「わからないが、兎に角邪魔だから撃った!!」
[メイン] 神原駿河 : 「次の爪弾が来たら、また奴……を?」
[メイン] 左腕 : 遅い、一本だけどうしようも無く爪の伸びが遅い
[メイン] 七七 : 「……するが!……さっきの、もう一回できる……!?」
[メイン] 氷室 セナ : 「…いや、させますよ」
[メイン]
ザ・ワールド :
どうする───叩き落すか?
否、これを叩き落す事が果たして正しいのか!!?
[メイン] 氷室 セナ : 神原の手を持つ
[メイン] 氷室 セナ : 「コォオオオオオッ!!!」
[メイン] 神原駿河 : 「……!?」
[メイン] 氷室 セナ : 波紋!波紋の生命のエネルギー!
[メイン] 氷室 セナ : 自身の生命エネルギーを波紋に転換し、神原に流し込む!
[メイン] 氷室 セナ : 一時的にだが、神原自身の生命活動を引き上げる為に!
[メイン]
第三の少年 :
「───……!!!」
少年に介入する『DIO』の意思以上に
その場に突如あふれ出した、黄金の輝きが少年が少年たらしめる意思を絆し始める。
[メイン] 氷室 セナ : 「装填は、間に合いますかッ!」
[メイン] テネブレア : 「ままぁっ……」
[メイン]
ザ・ワールド :
「!!?」
スタンドパワーが……落……!
[メイン] 左腕 : 軋むような音を立て、爪弾が復活し、また激しく回転する
[メイン]
神原駿河 :
「や、やれたッ…!」
「だが、コレがなんだと言うんだ!!」
[メイン] 神原駿河 : 「あんな奴相手に、通じてしまう物なのかッ!?」
[メイン] 氷室 セナ : 「…通じる限り、続けます!」
[メイン] 氷室 セナ : 「テネブレア、今はそばに」
[メイン] 氷室 セナ : 「ここが一番安全でしょう」
[メイン] 神原駿河 : 「やるしか、ないッ!!」
[メイン] テネブレア : 「ん……ままぁ……だいすき…」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 力の限り、掃除屋を
[メイン] 七七 : 「……サポート、全力……!」
[メイン]
第三の少年 :
その、『黄金の精神』は
とうとう───DIOの『意思』を少年から振り払い。
ザ・ワールドは、少年の下まで引き寄せきれないッ!!!
[メイン] ザ・ワールド : 「な 何ィ~~~!!!」
[メイン] 氷室 セナ : 「…別れた」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : すると
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 物陰に挟まされていた卵が一斉に孵化する
[メイン] 神原駿河 : 「今、今撃てばいいのかセナ!?さっきの通り、リロードが遅いぞ!!」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 「コァーッ!!!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「───!!!」
無限に、無限に等しい……概念を知らぬ……『ノミ』がッ!!!
[メイン] 氷室 セナ : 「打てれば良いんです!!」
[メイン] 氷室 セナ : 「どれだけの時間を止めようが!攻めようが!」
[メイン] 氷室 セナ : 「人型である限り死角がある!」
[メイン] 神原駿河 : 「なら……!!」
[メイン] 氷室 セナ : 「背部、背の中心」
[メイン] 氷室 セナ : 「拳を届かせることはできない」
[メイン] 神原駿河 : 「なら、そこを狙うッ!」
[メイン] 氷室 セナ : 「故に…どんなに強くても…あのスタンドはもう」
[メイン] 氷室 セナ : 「抗い切れないッ!!」
[メイン]
第三の少年 :
少年は、確かにこの瞬間ッ!
DIOの側ではない。
ゆえに、ザ・ワールドの死角を補い、爆炎を起こす彼も。
[メイン] 第三の少年 : もはや、助けとならない!
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 降り注ぐ雨のように!
[メイン] 七七 : 「……チャンスは、逃さない……!!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「───ぬううッ!!!
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!!!」 」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 魂の掃除屋はザ・ワールドにありとあらゆる方位から跳ね上がる!
[メイン]
ザ・ワールド :
四方八方、その体躯を絶え間なく宙で『回転』させ
掃除屋にその身を貪られないよう、ラッシュを叩き込むッ!!!
[メイン] 氷室 セナ : 「…一匹」
[メイン] 氷室 セナ : 「無理矢理撃ち抜いて押し込んでください」
[メイン] 神原駿河 : 「……わかった!!」
[メイン] 神原駿河 : 「タイミングは任せる、好きにやれッ!!」
[メイン] 氷室 セナ : 「…今です、たった今!」
[メイン] 七七 : 「……!」
[メイン] 神原駿河 : 「“牙”ゥゥゥ!!!」
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 打ち出された爪に!
[メイン] 左腕 : 文字通り撃鉄を入れれたかの様に、回転を続ける爪弾が、魂の掃除人に激突する
[メイン]
ザ・ワールド :
『馬鹿な』
『このDIOが───!!!』
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 迎撃する拳を!
[メイン] 『魂の掃除屋』 : 無理矢理食いちぎるッ!
[メイン] act2 : 「チュミミーン!」
[メイン]
ザ・ワールド :
『この……!!!』
『DIOがァアアッッ~~~~~~~!!!!!』
[メイン] 氷室 セナ : 「…もう、おしまいです」
[メイン] act2 : 快勝を叫ぶ様に、一瞬姿を表した次世代は
[メイン] 牙 : 解ける様に、元の姿へ戻った
[メイン] 氷室 セナ : 「吸血鬼の癖に、酷い傲慢な癖に」
[メイン] 氷室 セナ : 「…"人間"にしがみつくな、DIO」
[メイン]
第三の少年 :
「──── ハッ」
刹那、少年は───貪られる『世界』に気づいた。
[メイン] 第三の少年 : そして、手を伸ばし。
[メイン]
第三の少年 :
『爆炎』
[メイン] 第三の少年 : ───ザ・ワールドは、粉々となった。
[メイン] :
[メイン]
:
『世界』から骨が飛び出し。
その骨は、どこかへと消えていった。
[メイン] :
[メイン] 神原駿河 : 「あ、あの少年がトドメを刺した!?」
[メイン] 神原駿河 : 「自分のスタンドではなかったのか!?」
[メイン] 氷室 セナ : 「…ええ」
[メイン]
第三の少年 :
「……」
少年は、マスク越しだが
何故か───セナのような雰囲気を醸し出していた。
[メイン] 氷室 セナ : 「私は知っている、彼はあの本体とは違う」
[メイン]
七七 :
「…………」
警戒を保ったまま。
[メイン] 氷室 セナ : 「…貴方は」
[メイン] 氷室 セナ : 「貴方は誰ですか」
[メイン] テネブレア : 「ままぁっ……」
[メイン]
第三の少年 :
「───……」
瞬間、時間を停止したわけでもないというのに
セナの眼前へと瞬間移動し。
[メイン]
神原駿河 :
「……な、なんだ」
「先程から何度も雰囲気が変わる」
[メイン]
氷室 セナ :
「…むむ」
くっつくテネブレアを撫でつつ
[メイン] 氷室 セナ : 「…っ」
[メイン]
第三の少年 :
───負ったダメージを、無かったことにするかのように
『治す』
[メイン] 神原駿河 : 「…服が、いや傷が治っていく」
[メイン] 神原駿河 : 「この少年は、もう味方なのか…?」
[メイン] 氷室 セナ : 「…これは」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン]
第三の少年 :
「…………」
コク、と頷くと少年は再び宙へと浮かび上がり。
[メイン]
第三の少年 :
その最中、突如透明となり。
目で追う事はできなくなった。
[メイン] 氷室 セナ : 「…」
[メイン] 氷室 セナ : 「…さようなら」
[メイン] 神原駿河 : 「……まるで、幽霊だったな」
[メイン] 七七 : 「……幽霊」
[メイン] 氷室 セナ : 「…わからない」
[メイン] 氷室 セナ : 「ですが今は」
[メイン] 氷室 セナ : 「…終わったことを喜びましょう」
[メイン] テネブレア : 「ままぁ!!だいすきぃ……」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] 神原駿河 : 「……ハハ、テネブレアはブレないな」
[メイン] 神原駿河 : 「ハハ、ハッハッハッハッハ!!!!」
[メイン] 神原駿河 : 「生きてるのか!!!」
[メイン] 神原駿河 : 「あっはっは!」
[メイン] 氷室 セナ : 「…ええ」
[メイン] 七七 : すとん、と神原にもたれかかって。
[メイン] 氷室 セナ : テネブレアを撫でて、抱き上げて
[メイン] 氷室 セナ : 「…ほら」
[メイン] 氷室 セナ : 「帰りますよ、疲れましたので」
[メイン] 七七 : 「……疲れた」
[メイン] 神原駿河 : 「七七、私たちはまだ動いている、もう大丈夫だ、ハハ……あー」
[メイン] テネブレア : 「んぁ…ままぁ………」
[メイン] 神原駿河 : 「わかる、疲れた…」
[メイン] 神原駿河 : 「セナ、私と七七をおんぶしてくれ…」
[メイン] 氷室 セナ : 「馬鹿言わないで」
[メイン]
七七 :
「するが、お手柄だった。えらい」
もたれかかった姿勢のまま、その頭に手を伸ばして。
[メイン] 神原駿河 : 「ん…?」
[メイン] 神原駿河 : されるがままに、七七の方を向く
[メイン] 氷室 セナ : 「…ああ」
[メイン] 七七 : さすさすと、撫でるように。
[メイン] 氷室 セナ : 「神原はよくやった」
[メイン] 氷室 セナ : 「…一つ、稀な話があるの」
[メイン] 氷室 セナ : 「スタンドは進化する」
[メイン]
神原駿河 :
「ん、進化……ですか?」
撫でられながら、話を聞いている
[メイン] 氷室 セナ : 「…確かなのは、それを起こすのは」
[メイン] 氷室 セナ : 「素晴らしい魂の持ち主、だそう」
[メイン] 神原駿河 : 「……“素晴らしい”ですか」
[メイン]
七七 :
「……せな、無事でよかった。……でも、次から、説明して」
少し不満そうに
[メイン] 氷室 セナ : 「…"精神"」
[メイン] 七七 : 「よかった。するが、すばらしいって」
[メイン] 氷室 セナ : 「…すいませんね、色々私もあって」
[メイン] 氷室 セナ : 「私は一つ、前こう言われました」
[メイン] 神原駿河 : 「……ふむ?」
[メイン] 氷室 セナ : 「価値のあるものは『精神の成長』」
[メイン] 氷室 セナ : 「…行った結果ではなく、その過程に備わる成長にこそ、価値がある」
[メイン] 氷室 セナ : 「…素晴らしい魂の持ち主…というのは」
[メイン] 神原駿河 : 「……」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] 氷室 セナ : 「"それだけの逆境を越える魂の持ち主"であったからこそ」
[メイン] 氷室 セナ : 「素晴らしい、と言ったのだと」
[メイン]
氷室 セナ :
「私は思ってますよ」
にこりと、かすかに微笑み
[メイン] 七七 : 「……するが。」
[メイン] 七七 : 「するがは、どんな気持ちだったの?」
[メイン] 神原駿河 : 「……必死、だったな」
[メイン]
神原駿河 :
「これから、何ができるのか」
「何か掴めるのか、それに対して一生懸命だった」
[メイン] 七七 : 「……うん」
[メイン] 神原駿河 : 「……だから、不謹慎かもしれないんだが」
[メイン]
神原駿河 :
「ザ・ワールドを射抜くまでの間」
「これまで以上に、生きている事に感謝していた」
[メイン]
神原駿河 :
「……必死に、真っ直ぐに」
「そう生きていられる事に、感謝していた」
[メイン] 神原駿河 : 「……そんな場合じゃないとは、わかっていたんだがな」
[メイン] 氷室 セナ : 「それは成長ですよ」
[メイン] 神原駿河 : 「…え」
[メイン] 氷室 セナ : 「…自分の人生に、価値を一新させた」
[メイン] 氷室 セナ : 「生まれてきてからやったことを定義し直して」
[メイン] 氷室 セナ : 「精神を貴女に形作る記憶を研ぎ直す」
[メイン] 氷室 セナ : 「それは成長だ」
[メイン] 神原駿河 : 「───」
[メイン] 神原駿河 : 「……ああ、私もそう思う」
[メイン] 七七 : 「……。」
[メイン] 神原駿河 : 感慨深く強く頷くと、少しフラつく
[メイン] 七七 : 「!」
[メイン] 七七 : ぱ、と支えるように飛びつく。
[メイン]
神原駿河 :
「っと……す、すまない七七」
「ちょっと、集中しすぎたみたいだ」
[メイン] 氷室 セナ : 「…っと」
[メイン]
テネブレア :
「まま……ままぁっ………ん〜?」
キスを待つ。
[メイン] 氷室 セナ : 「…………」
[メイン] 氷室 セナ : 指を当てておき
[メイン] 七七 : 「ん……するが、よく頑張った。」
[メイン] 氷室 セナ : 「行きますよ、続きの話は」
[メイン] 氷室 セナ : 「また後にしましょうか」
[メイン] 神原駿河 : 「……ああ」
[メイン]
神原駿河 :
少し、フラつきながらも
自分の足で立ち上がり、地面と離れる
[メイン] テネブレア : 「ままぁ〜……だい…だいすきぃ…」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] 氷室 セナ : 「…んもう」
[メイン] 氷室 セナ : 疲れたようにため息しつつ
[メイン] 神原駿河 : 「ハハ、デレデレだな」
[メイン] 氷室 セナ : 「何故でしょうね…」
[メイン] 氷室 セナ : そう言って、帰路に着く
[メイン] 七七 : 前へと導くように、神原の手を取り。
[メイン] 七七 : 「するが、こっち。……おんぶは無理だけど」
[メイン] 神原駿河 : 「…ありがとう、七七」
[メイン] 神原駿河 : 誘導に従い、歩いて行く
[メイン] 氷室 セナ : …まるで全てを終えたかのように、空を見上げてふと思う
[メイン] 氷室 セナ : 『人間はあの時地球を超えて成長したんだッ!』
[メイン] 氷室 セナ : そうですね
[メイン] 氷室 セナ : 『世界』すら超えたのは、もう何年も前の話だ
[メイン] 氷室 セナ : どうであれ、こんなことでは
[メイン] 氷室 セナ : 何も終わらない
[メイン] 氷室 セナ : …まだ、やる事は続いてるのだ
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ :
[メイン]
エイハブ :
「───……石仮面も、スーパーエイジャも全く場所に見当がつかないな
星の正確かつ詳細な落下地点は……SPW財団もまだ突き止めていないらしい」
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン] エイハブ : 「どうした───ジョジョ」
[メイン]
ジョジョ :
さっきの感覚……
何処かで何かが弾けたような……
[メイン] マキマ : 「どうしたのかな」
[メイン] ジョジョ : 「……いや、なんでもない」
[メイン]
ジョジョ :
もしかして……
考えすぎだろうか……
[メイン]
エイハブ :
「そうか───とにかく
迅速に石仮面と赤石の回収……前者は『破壊』しなければ───」
『破壊』 そう、呟いたその時だった。
[メイン] マキマ : 「んー。気になるなぁ、遠慮せずに言って欲しいよ」
[メイン] : 「ん〜?気になる言葉が聞こえたねェ〜」
[メイン] マキマ : 「おや。」
[メイン] 黄猿 : 現れたのは、黄色の服を纏う男
[メイン] ジョジョ : 「!」
[メイン]
エイハブ :
「───!!!」
咄嗟に、銃口を向ける。
今、この瞬間にやっと気配を感知した。
[メイン] ジョジョ : 「あ、あなたはッ!?」
[メイン] マキマ : 指鉄砲にして。
[メイン]
エイハブ :
まるで、時間を止めたかのように
まるで、さっきまでそこにいたと言わんばかりに、男はそこにいた。
[メイン]
黄猿 :
「わっしは海軍大将黄猿って言うもんだよォ〜」
3人を見渡して
[メイン] 黄猿 : 「御三方、ちょっとお尋ねしたいんだけどォ〜」
[メイン] マキマ : 「何かな?」
[メイン]
エイハブ :
……!! 海軍"大将"…………
一人はマグマ、一人は氷……そして一人は……
[メイン] ジョジョ : 「なんでしょう?」
[メイン] エイハブ : 「───……」
[メイン] 黄猿 : 「『石仮面』ってのはどこにあるか知らないかなァ?」
[メイン]
エイハブ :
「…………それは俺達も、探している途中だ
見つけ次第『破壊』するが……協力してくれるか?」
[メイン]
黄猿 :
「ちょうどこの宝石が嵌まるくらいの穴が空いてるらしいんだけどねェ〜」
エイジャの赤石を見せながら
[メイン] エイハブ : 「……何……」
[メイン] アヌビス神 : ───エイハブ! あれは……『スーパーエイジャ』じゃあないかッ!!!
[メイン] 黄猿 : 「『破壊』ねェ〜...あんたはSPW財団の人だろゥ?資料で見たよォ」
[メイン] マキマ : 「ふむ。」
[メイン] ジョジョ : あ……アレが『エイジャの赤石』ッ!?
[メイン]
エイハブ :
「スーパーエイジャ……すでに海軍が回収……!!!」
なんだ、この……剽軽な態度の中にちらつかせる……妙な『殺気』は
[メイン] 黄猿 : 「そっちの人は公安の人だなァ〜...資料でも謎だらけだった...」
[メイン] マキマ : 「……………」
[メイン] 黄猿 : 「あと1人は知らないが...まあいいや」
[メイン] 黄猿 : 「公安とSPW財団にはすぐに通達がくるよォ」
[メイン] エイハブ : 「───どんな通達が、だ」
[メイン] 黄猿 : 「この件は海軍が引き継ぐ、即刻君達は手を引きなさいって通達がねェ〜」
[メイン] マキマ : 「そうでしたか。」
[メイン]
エイハブ :
……海軍……その裏……"世界政府"だな……
天竜人によって樹立と言っても過言ではない。
[メイン] エイハブ : 「…………そうか。」
[メイン]
ジョジョ :
……
この件は引き継ぐ……
果たして信用できるのかッ……!?
[メイン] 黄猿 : 「なら、君達に戦う理由はないだろう?世界政府が石仮面と赤石は管理する」
[メイン]
エイハブ :
「そうだな
俺は───SPW財団のエージェントだが…………」
[メイン] 黄猿 : 「帰るといいよォ〜。今なら見逃すさァ〜」
[メイン] エイハブ : 「俺はエージェントである前に、自分の意思で戦っている」
[メイン] エイハブ : きっぱりと、そして目は逸らすことなく。
[メイン] マキマ : 「んー。ちょっとそれは。見逃せないかな」
[メイン] エイハブ : 「……この男、ジョジョの為にも」
[メイン] エイハブ : 「石仮面は、俺達の手で"破壊"する」
[メイン] エイハブ : 「アンタも協力するなら、同行してくれ」
[メイン] エイハブ : 「───でなければ、どうなる?」
[メイン] ジョジョ : 「……そうだ。あの仮面は、破壊しなければならないッ……!」
[メイン] マキマ : 「そうだね。破壊しないと」
[メイン] 黄猿 : 「断るんだねェ?どちらも、そちらの紳士も」
[メイン]
黄猿 :
「なら、」
体が光を纏う
[メイン]
エイハブ :
「───ああ
悪い事ではないはずだがな……!!!」
[メイン] マキマ : 「…ばん」
[メイン]
エイハブ :
やはり───『光』……
ピカピカの実の能力者。
[メイン] エイハブ : 「!!」
[メイン] 黄猿 : 「世界政府の名において、"正義"を執行するよォ〜〜!...っ...!」
[メイン] マキマ : 「ばん。ばん。」
[メイン] ジョジョ : 「来るッ!」
[メイン] 黄猿 : 不可思議!黄猿の体に大小様々な穴が開く!
[メイン]
エイハブ :
指鉄砲───の筈が、その指先から放たれるのは
着弾までの『過程』がわからない、破壊。破壊。破壊。
だが……!
[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?身体が……」
[メイン] エイハブ : 「───…………すでに『光』になっているな」
[メイン] 黄猿 : しかし、男は倒れず...!
[メイン] マキマ : 「んー。効いてないね」
[メイン]
黄猿 :
「おお〜〜...いきなりびっくりしたねェ〜」
穴が塞がる。無傷!
[メイン] エイハブ : これが、ロギア系……"スタンド"とは違う……!
[メイン]
黄猿 :
「今度はこっちだよォ〜」
足を3人に向ける
[メイン]
ジョジョ :
身体が、光にッ!?
実体がないというのかッ!?
[メイン]
エイハブ :
だが……更に恐ろしい事があるとするなら
スタンドとは別の能力を有している為、スタンドを持っていても
「スタンドは一人につき一体」というそのルールすらすり抜けられる事。
[メイン] エイハブ : 「来るぞッ……!!!」
[メイン] マキマ : すかさず前に出る
[メイン]
黄猿 :
「吹き飛びなさァ〜〜い!」
足からレーザーを射出!
[メイン] マキマ : 身を盾にし、他の2人を守る。これが正しい選択かな。
[メイン] マキマ : 「………」
[メイン] 黄猿 : 「まずは一人目...」
[メイン]
エイハブ :
「───……!!!」
スローモーションのようにすべての動きが鈍くなる
だが、敵は光……そこに彼女が。
[メイン] ジョジョ : 「なッ……!!」
[メイン] マキ/マ : 上下真っ二つになった身体。
[メイン] マキ/マ : 束の間…再生を始める。
[メイン] マキマ : 「うん。正しかったね。」
[メイン]
黄猿 :
着弾、確実に始末した手応え。
だが...
[メイン] アヌビス神 : やはり、この『女』……只者じゃあなかったッ!!!
[メイン]
ジョジョ :
バカなッ!!
彼女もまた人にない力を持っているのかッ!?
[メイン] 黄猿 : 「おっ〜〜〜とこれはァ...」
[メイン] 黄猿 : 「君も化け物じみてるねェ〜」
[メイン]
エイハブ :
「行くぞ───散らばるんだ
纏めて動く事はどうやら……心中行為だ」
[メイン] マキマ : 「お互い様じゃないかな?」
[メイン]
黄猿 :
「細切れにしたらどうかなァ〜?」
光の剣を生成する
[メイン] 黄猿 : 「『天叢雲剣』」
[メイン]
エイハブ :
───光が形になっていく。
こんな芸当すらできるのか……"悪魔の実"……いや海軍大将は。
[メイン] マキマ : 「……………」
[メイン] マ/キ/マ : 物言わずバラバラになる。
[メイン] 黄猿 : 光の速度でマキマの眼前に移動!そして剣で切り刻む!
[メイン] マキ/マ : 瞬時に、
[メイン] マキ/マ : 瞬時に再生を果たす。
[メイン] マキマ : 「うん。」
[メイン]
アヌビス神 :
───エイハブ。あの女の再生能力については何がなんだかわからねェー
だが……この「アヌビス神」……あの男の攻撃の性質を……『覚えた』ぞ
[メイン] エイハブ : 「……相手は光だがな」
[メイン]
黄猿 :
「ロギア系でもないのに...やっぱり化け物だ」
舌を巻く
[メイン] 黄猿 : 「後の2人はどうだい?かかってくるかァ?」
[メイン]
エイハブ :
「───いや
前線は"彼女"に任せよう……」
銃ではなく、スタングレネードを構える。
[メイン]
エイハブ :
光とはいえ、視覚はあるはずだ。
[メイン] エイハブ : そして……耳をしばらく潰せるなら、なおさら確実。
[メイン] マキマ : 「さて……千年使用。」
[メイン] 黄猿 : 「...!おお〜これは...!!」
[メイン] マキマ : 大きな槍が現れ、黄猿へと降り注ぐ。
[メイン] エイハブ : 「…………血の槍……!!」
[メイン] 黄猿 : マキマへの対応、そしてスタングレネードを構えるエイハブに気を取られ...
[メイン] 黄猿 : 命中!血の槍が身体を貫く...
[メイン] マキマ : 「おや。当たりましたか」
[メイン] 黄猿 : が
[メイン]
エイハブ :
スタングレネードを、ピンを引き抜き───男に投擲すれば
ジョジョに向かって、目と耳を塞ぐよう自分がそうしてみせる。
[メイン]
黄猿 :
「何度やっても無駄だよォ〜。」
音と光の衝撃の中、声が響く
[メイン]
黄猿 :
「わっしはロギア、自然系」
「覇気か、それとも闇の悪魔の実か」
[メイン] 黄猿 : 「それじゃなけりゃぁ、ダメージはない。」
[メイン] 黄猿 : 「無敵ってワケじゃないさァ。攻略してみるといいよォ〜」
[メイン] マキマ : 「闇の悪魔ですか。彼は使いたくないんですが」
[メイン]
エイハブ :
───目か、耳すらも潰れてないのか
ロギア、しかもそれを使いこなしている人間を相手にするのは
"初めて"だが……!
[メイン]
エイハブ :
「───だが」
仮に、仮にだが。
[メイン]
エイハブ :
"あれ"だけは、『光』にはならないはずだ。
いや、正確にはヤツ自身が"光"となって移動、防御をしていない間は
"あれ"だけは『実体』があるはず。
[メイン] エイハブ : 「───二人とも、俺は時間を止める事も早める事も元に戻すこともできないが」
[メイン] エイハブ : 「時間を”稼ぐ”事はできる」
[メイン] エイハブ : 「───時間を稼いで……隙を窺う」
[メイン]
黄猿 :
「...何かやる気だねェ〜」
エイハブに注意を向ける
[メイン]
エイハブ :
「その間に……良いな」
悟られてはならない、だから肝心な部分は口にはしない。
[メイン] エイハブ : 「───来るかッ!!!」
[メイン]
黄猿 :
「何かやる前に、これを食らってもらうよォ〜」
エイハブの正体に達、背後に光球を配置する
[メイン] エイハブ : 左腕を構えようと───した途端。
[メイン] 黄猿 : 影が伸びる、不気味なほどに、
[メイン] エイハブ : 「ぬ、ぐぅっ……!!?」
[メイン] アヌビス神 : マズい……! これは『セト神』ッ!!?
[メイン] セト神 : そして影には眼がついて...
[メイン]
アヌビス神 :
触れるな───エイハブ……!!!
そいつに触れれば……!!!
[メイン] 黄猿 : 「『スタンド』だよォ〜?SPW財団なら知ってるよねェ〜」
[メイン] マキマ : 「ふむ。」
[メイン]
エイハブ :
「───ウオオオオオオオオオッッッッ!!!!」
影に触れる。
その時間、2秒から3秒。
[メイン] エイハブ : …………。
[メイン] エイハブ : 何が、起こった?
[メイン]
エイハブ :
───間違いない、俺の身体には何かが起こり
そしてその『異変』は第三者から見れば、明確だろう。
[メイン]
エイハブ :
だが、ダメージは無い。
ならば───……
[メイン] 黄猿 : 「...ん〜?なんだか...」
[メイン] マキマ : 「随分と」
[メイン]
エイハブ :
「それだけか!」
咄嗟に走り出し、アヌビス神を引き抜く。
[メイン] マキマ : 「若返りましたね」
[メイン]
アヌビス神 :
エイハブ!? ───お前は……!?
全く、違う。
いくら若返ったにしても
[メイン] アヌビス神 : これは、おかしいだろ……!!
[メイン]
黄猿 :
「全く、別人みたいだねェ〜!」
光の剣を構える!
[メイン] エイハブ : ───アヌビス。頼んだ。
[メイン]
アヌビス神 :
───ふんっ。
任されたぞ。
[メイン]
エイハブ :
妖刀を振るい、"光"の剣と鍔ぜり合う。
本来───ありえるはずもないが、アヌビスの本来の能力か、あるいは精神力による物か。
[メイン]
マキマ :
「では……ぱん、ぱん、ぱん」
横に回り込み、放つ。
[メイン] 黄猿 : 「......!なんで、覇気も無しに打ち合える!?」
[メイン]
エイハブ :
「───俺は」
「絶~~~~~~~~~~~~~~~~~…………」
[メイン] エイハブ : 「対に負けんッッ!!! それだけだッ!!!」
[メイン]
黄猿 :
「...っ!これはっ...!」
身体に穴が開く!体制が崩れる!
[メイン] 黄猿 : 妖刀が光体を切り裂き、その懐から...
[メイン] 黄猿 : 赤石が、地面に落ちる!
[メイン]
黄猿 :
「...まずいねェ〜これは...」
たたらを踏み、二者の中心で切り裂かれた腹を押さえる
[メイン]
エイハブ :
瞬時に、赤石を
その手に握りしめ───妖刀の輝きが……『スーパーエイジャ』へと吸い込まれていくと
その光が"スタングレネード"とは比べ物にならない、閃光を放ち。
[メイン]
アヌビス神 :
───エイハブ。
最後は、お前自身の手で───俺だと……"殺"ってしまうかもしれないからなァ~~~!
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ : 「───感謝するッ!!!」
[メイン] エイハブ :
[メイン] 黄猿 : 「...光...この気迫はァ〜...」
[メイン]
エイハブ :
そのまま───アヌビス神が
虚空に、一閃を描き。
[メイン]
エイハブ :
光が
飛び散る───……
[メイン] 黄猿 : .......追いつかない
[メイン] 黄猿 : 光そのものである黄猿が、
[メイン] 黄猿 : 海軍大将、黄猿の反応速度が、
[メイン] 黄猿 : ただの剣の一振り、それに追いつかない...!
[メイン] 黄猿 : 光が、自身の影すら消しとばしていく
[メイン] 黄猿 : そのまま、分断された体は地面に倒れ...
[メイン] 黄猿 : 今度こそ、光に戻ることはない...!
[メイン] アヌビス神 : ───…………
[メイン] アヌビス神 : …………
[メイン] アヌビス神 : ……
[メイン] アヌビス神 : 「おい 黄猿」
[メイン] アヌビス神 : 「……本当は死んでねえんだろう」
[メイン] 黄猿 : 「......」
[メイン] マキマ : 「…………」
[メイン] エイハブ : 「……アンタは"海軍大将"だ」
[メイン] 黄猿 : 「ちょっとォ〜。これ以上老体に鞭打つきかァ〜?」
[メイン]
エイハブ :
「……民草の為に、死ぬことはない
命は"無駄"にしない…… アンタも"正義"の為に戦ったんだ
"どっちつかずの正義"を全うしたアンタを、俺は殺せない。
だから……アンタは"破壊"しない───」
スーパーエイジャを握りしめ
自分の中の"鬼"を───抑えた。
[メイン] 黄猿 : 「......ありがとうよォ〜。一兵士」
[メイン] 黄猿 : 黄猿は、重ねた
[メイン] 黄猿 : 頂上決戦で、大将赤犬に対し
[メイン] 黄猿 : 死をも恐れず、戦いを止めろと叫んだ、若き海兵を
[メイン] 黄猿 : 光の粒子が稼働を再開し、体を構成する
[メイン]
エイハブ :
───そうだ、俺は一兵士。
俺は……もはや"ビッグボス"でもない
全てを終えたはずの……"老兵"だ。
1984年は、もう終わったんだ。俺は……1995年に───。
[メイン] 黄猿 : 「わっしの負けだ。そして、アンタらの勝ち」
[メイン] 黄猿 : その場に座り込む
[メイン] マキマ : 「さて……後は石仮面ですね」
[メイン] 黄猿 : 「上にはなんとか言っとくさァ〜。大将の言葉なら、それなりに権力はある」
[メイン] 黄猿 : 「なんで...あんたらが、破壊しろ」
[メイン]
エイハブ :
「───」
俺は、黄猿を いや"海軍大将"に向き合い。
[メイン] エイハブ : 「……感謝します……!」
[メイン] 黄猿 : 「...エイハブって言ったかな...あんた...」
[メイン] エイハブ : 「……ああ、それが、俺の呼び名だ」
[メイン] 黄猿 : 「自分が老兵って顔をしてるから言うが...」
[メイン] 黄猿 : 「退役なんて、もったいない。お前が時代を作るんだよォ〜」
[メイン] 黄猿 : 「わっしを倒したお墨付きだ。...頑張るんだよォ〜」
[メイン]
エイハブ :
「───本来、すでにあんたより先に退役してたはずだが……
きっと、俺は……ジョナサン・ジョースターと共に……過ぎ去った過去を
清算しに来た。作られていく時代が壊す……そんな過去を」
[メイン] エイハブ : 「だから……今の俺は」
[メイン]
エイハブ :
「一人の軍人として、使命を、全うします」
"海軍大将"に頭を下げ、俺は───足並みを揃え、『石仮面』を探しに向かう。
[メイン] 黄猿 : 「...新しい時代の足音だねェ〜。サカズキ...」
[メイン] 黄猿 : 「マキマ...嬢さんも、行くといいよォ〜。」
[メイン] 黄猿 : 「あんたには...わっしのお墨付きなんて必要ねェか」
[メイン] マキマ : 「んー、そうだね。じゃあ、行こうかな。」
[メイン] 黄猿 : 「まぁ...人間の味方をしてくれることを祈るよォ〜」
[メイン] マキマ : 「私はいつだって人間の味方だよ。」
[メイン] 黄猿 : 「...嘘つきィ〜...」
[メイン]
マキマ :
「…………………」
その場を立ち去る。
[メイン] 黄猿 : 2人の後ろ姿を見送り、空を仰ぎ見る
[メイン]
黄猿 :
既にDISCは無い。
あの一閃と同時に破壊されたのだ。
[メイン] 黄猿 : 余分な何かが無くなったような、初心を見返したような、晴々とした気分だった
[メイン] 黄猿 : 「始まるよォ〜..."新しい時代"が」
[メイン]
:
[メイン]
:
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ : 怪我を処置しつつ、施設の装備などを整理して
[メイン] 氷室 セナ : 上層部に送り付ける始末書などを認めている
[メイン] テネブレア : 「ままぁ…………」
[メイン] : その時、セナの通信端末が鳴る。
[メイン] 氷室 セナ : 「…ん?」
[メイン] 氷室 セナ : 端末を取り出して
[メイン] 氷室 セナ : 「どうも」
[メイン]
エイハブ :
『セナ。こちらエイハブ……そっちはどうだ?』
『こちらは"スーパーエイジャ"の回収を完了した』
[メイン] 氷室 セナ : 「…エイハブですか」
[メイン] 氷室 セナ : 「成程、こちらでは殆ど確認できてなかったので朗報ですね」
[メイン] 氷室 セナ : 「こちらでは過去確認された"ザ・ワールド"と交戦、退けました」
[メイン] エイハブ : 『これで……最悪"究極生物"をこの目で拝む羽目になる事は避けられる……あとは"石仮面"だ……』
[メイン] エイハブ : 『……!!? ザ・ワールドだと』
[メイン] 氷室 セナ : 「理由は定かではありませんが…ええ」
[メイン] 氷室 セナ : 「この目で確認しました、時間の停止も同様」
[メイン]
エイハブ :
『そうか───……こちらも、ザ・ワールドと交戦した
おそらくアンタの前に、だが……』
[メイン] 氷室 セナ : 「…成程、あの破壊の後はそういう事ですか」
[メイン]
エイハブ :
『そして……セナ。
スーパーエイジャの確認がてら、アンタに見てもらいたい人物が一人……』
『そして公的な協力者を一人得た。果たして素性は知れているというべきかわからないが……どこかで落ち合うべきだろう、どうする?』
[メイン] 氷室 セナ : 「…こちらの施設には現在スタンドに覚醒した一般人が二人と…その」
[メイン] 氷室 セナ : 「スタンドにより精神疾患を発症した患者を一人回収しています」
[メイン] 氷室 セナ : 「持ち場を離れるのが難しいので、こちらに落ち合えますか?」
[メイン]
エイハブ :
『そうか───ご苦労だった』
『わかった、そちらで落ち合おう。
…………ところでセナ……さっきから"声"がするが、それが精神疾患を発症した患者か?』
[メイン]
氷室 セナ :
「はい」
きっぱり
[メイン] 氷室 セナ : 「…何分、色々こちらも仕事が詰まり手が回り切ってません」
[メイン]
エイハブ :
『……ハハハ』
向こうで、微かに笑い。
『了解した───OVER』
そう言って、通信を切る。
[メイン] 氷室 セナ : 「失礼します」
[メイン] 氷室 セナ : そのまま端末を仕舞い
[メイン]
氷室 セナ :
「…はぁ」
ひと際深い溜息を吐くのだった
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン]
ジョジョ :
[メイン]
ジョジョ :
[メイン]
ジョジョ :
エイハブに連れられて、ぼくたちはSPW財団の所有する施設の一つにやってきた。
あのスピードワゴンが、一代でここまでの組織を立ち上げたと聞いて……ぼくは改めて、彼と友人でいれた事を誇りに思った。
[メイン] ジョジョ : ぼくが元いた時代の建物とは大きく違う造りと見た目の施設に驚きを感じながらも、ぼくは客人用に用意されている部屋にお邪魔した。
[メイン] ジョジョ : 「お邪魔します」
[メイン] 神原駿河 : 「あっどうぞ!」
[メイン] 七七 : ぴく、と神原の膝の上で顔を上げる。
[メイン] マキマ : 「どうも。」
[メイン] 七七 : 「……こんにちは。」
[メイン] マキマ : 「うん。」
[メイン] 神原駿河 : 「……貴方が、ジョースター卿か」
[メイン] 七七 : 「?」
[メイン] ジョジョ : 「きみが神原駿河さんだね?」
[メイン] マキマ : 「死体が喋っている」
[メイン] 七七 : 「……………………」
[メイン] マキマ : 「…けど、どう言うことなのかな」
[メイン] 七七 : 指をすい……と持ち上げ、無表情に臨戦態勢を。
[メイン] ジョジョ : 「ッ!?」
[メイン] 神原駿河 : 「七七ッ!」
[メイン] マキマ : 指鉄砲にし、構える。
[メイン] ジョジョ : この二人……この状況で唐突に雰囲気が変わったッ……!
[メイン] 七七 : 「…………」
[メイン] 神原駿河 : 「……両者、共に落ち着いてくれ」
[メイン] 七七 : 「…………ごめん、するが。」
[メイン] 七七 : しゅんと肩を落とし、手を下ろす。
[メイン]
神原駿河 :
「私は、初対面の人にも、大事な人にも傷ついてほしくはない」
「ありがとう、七七」
[メイン] マキマ : 「うん、そうだね。私も悪かったね」
[メイン] マキマ : 「今は…事情もある事だし、見逃すよ」
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン] 七七 : 「……。そっちのおねえさんも、ごめん。」
[メイン] 七七 : ぺこりと頭を下げ。
[メイン]
神原駿河 :
「そちらの方も、貴女なりの冗談だったのだろう」
「だが、私の友人は繊細なのだ、申し訳ない」
[メイン] 神原駿河 : 同じく頭を下げる
[メイン] ジョジョ : 「ありがとう、仲裁してくれて……」
[メイン] マキマ : 「それは悪い事をしたね。マキマ。私の名前だよ」
[メイン] 七七 : 「……七七だ。」
[メイン] 神原駿河 : 気にせず、とジョナサンに礼をして
[メイン]
七七 :
「まきま、まきま」
記憶するように唱えて。
[メイン] マキマ : 「なにかな。」
[メイン] 神原駿河 : 「神原駿河だ、得意技はBダッシュだ」
[メイン] 神原駿河 : 「七七は、誰かの名前を覚えるときにメモをする癖があるんだ」
[メイン] 七七 : こくん。
[メイン]
マキマ :
「そうなんだね。ふむ…偉いね」
七七の頭を撫でようとする
[メイン]
神原駿河 :
「ああ、七七。こっちの人の名前も書いておいてくれ」
ジョナサンを指すと、とメモを取り出し手本を書く
[メイン] ジョジョ : 「ぼくはジョナサン・ジョースター、あだ名は縮めてジョジョだよ」
[メイン] 七七 : ぱちぱちと瞬きをしてしばらくそれを見つめたのち、素直に頭を差し出す。
[メイン] 七七 : 「じょじょ」
[メイン] マキマ : 撫でる。
[メイン] 七七 : 「ん。」
[メイン] 七七 : 心地良さそうに肩を震わせる。
[メイン]
七七 :
「……それで、何のご用だっけ。」
撫でられる姿勢のまま、ジョナサンに向き直って
[メイン] 神原駿河 : 「……ああ、それはこちらから頼んだ形になる」
[メイン] 神原駿河 : 「先程、財団の方からジョースター家に纏わる因縁を聞かせていただいた」
[メイン] 神原駿河 : 「……そして、その始祖がいると聞き。どうにも話がしてみたくなってな」
[メイン]
七七 :
「始祖」
ジョナサンをじっと見つめ。
[メイン] 七七 : 「じょじょは、昔の人?」
[メイン] 神原駿河 : 「……そうらしい、伝言で、あまり信じてはいなかったのだが」
[メイン] 神原駿河 : …こう見ると、どうにも実感が湧く
[メイン] 神原駿河 : 衣装だけでなく、佇まいが今を生きてきた人間とは思えない
[メイン] ジョジョ : 「……ああ」
[メイン] 神原駿河 : 「『石仮面』それと初めて戦った、ジョースター家の長」
[メイン] 神原駿河 : 「そんな貴方に、こんな私は質問があって来たのだ」
[メイン] ジョジョ : 「信じられないかもしれないが……ぼくは1889年から来た。ぼくも今でも、ここが百年以上あとの世界なんて信じられてはいない」
[メイン] ジョジョ : 「……ぼくに、質問?」
[メイン] 神原駿河 : 「はい」
[メイン] 神原駿河 : 「私は、“究極生命体”と呼ばれる存在に、少しの興味があるのだ」
[メイン] ジョジョ : 「“究極生命体”……?」
[メイン] 七七 : 足をぷらぷらと揺らしながら耳を傾ける。
[メイン] 神原駿河 : 「……赤い石」
[メイン]
七七 :
「赤い石!」
呼応するように。
[メイン] 神原駿河 : 「エイジャの赤石を使用した石仮面は、『吸血鬼』ではなく、もっと先へと進んだ生き物を作るのだ」七七を落ち着かせる
[メイン] 七七 : 「ん……」
[メイン] 神原駿河 : 「……それが“究極生命体”」
[メイン] ジョジョ : 「石仮面に……吸血鬼のその先があったのかッ!」
[メイン] 神原駿河 : 「……はい」
[メイン] 神原駿河 : 「そして、その生き物は……『波紋』を浴びても死なず」
[メイン] 神原駿河 : 「『太陽光』の中でも適合して生きていける」
[メイン] 神原駿河 : 「……言ってしまえば」
[メイン]
神原駿河 :
「我々と同じ、生物だというのだ」
「あくまで、究極系であるというだけの」
[メイン] マキマ : 「ふむ…」
[メイン] ジョジョ : 「『太陽』の下で、生きていける……」
[メイン] 神原駿河 : 「そうだ」
[メイン]
神原駿河 :
「吸血鬼のような闇の者ではない」
「やろうと思えば、ただの人間としても生きていけるだろう」
[メイン] 七七 : 「……吸血鬼が人間をしちゃ、だめなの?」
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン]
ジョジョ :
ただの人間としても生きてゆける……
究極の力を持ちながら、光の中で……
[メイン] 神原駿河 : 「……いいや、まさか」
[メイン]
ジョジョ :
しかし……
それは……
[メイン] 神原駿河 : 「吸血鬼とて、人を喰わなければ問題はない」
[メイン] 神原駿河 : 「…日光浴ができないのは、障害とも言えるが」
[メイン] マキマ : 「私としては、人間の脅威にいずれ成り得る存在を見過ごすわけには行きませんね」
[メイン]
七七 :
「…………」
神原の言葉を聞いて、半分人ならざる存在として少し安心したように。
[メイン] ジョジョ : 「……究極の生命体はきっと……それが能力的には出来たとしても、それは出来ないんだろう」
[メイン] 神原駿河 : 「……何故、でしょうか?」
[メイン] ジョジョ : 「『弱さ』のないものは……ある意味でとても脆い。ぼくはそう思うんだ」
[メイン] 神原駿河 : 「……つまり、それは」
[メイン] ジョジョ : 「ひとは弱いからこそ寄り添える。でも、もし何一つ弱みがない人がいたとしたら……」
[メイン] 神原駿河 : 「……『他者は必要無くなる』」
[メイン] マキマ : 「…………………」
[メイン] 神原駿河 : 頂点は、常に独り
[メイン] ジョジョ : 「それはとても寂しい事だと思う……」
[メイン] ジョジョ : 「だから、究極生命体というのはその寂しさを感じない……いや、感じなくなってしまった」
[メイン] 神原駿河 : 「……そう、ですね」
[メイン] ジョジョ : 「……ある意味、呪われた存在なんだと思う」
[メイン] 神原駿河 : 左腕を寂しそうに見て、頷く
[メイン] 七七 : 「……じょじょ、おともだちみたいに言うんだね。その生き物のこと」
[メイン] ジョジョ : 「……おともだちか」
[メイン] ジョジョ : 「……『それ』に近付こうとした人を、知っているから……無意識に、重ねてしまっているのかもしれないね……」
[メイン] 七七 : 「…………」
[メイン] 神原駿河 : …DIO、ザ・ワールドの所有者か
[メイン] ジョジョ : 「……石仮面は、呪いだ」
[メイン] ジョジョ : 「不完全に使えば、闇の眷属に姿を変えてしまう」
[メイン] ジョジョ : 「完全に使ったとしても……孤独が待っている」
[メイン] 神原駿河 : 「…絶対に、良い物にはできない、と」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] 七七 : 「……七七は、元にもどれないの?」
[メイン] ジョジョ : 「元に……」
[メイン] 神原駿河 : 「……それは」
[メイン]
神原駿河 :
「七七は、キョンシーと呼ばれる存在だ」
「元に戻る……自分を蘇生するため、この街に来た」
[メイン] 七七 : こくり。
[メイン] マキマ : 「…ふむ。」
[メイン] 神原駿河 : 「……」
[メイン] 神原駿河 : 「私は、究極生命体の話を聞いた時、その力で七七を…」
[メイン] 神原駿河 : 「それだけでなく、私の大切な人たちの大きな助けになれると思った」
[メイン]
神原駿河 :
「……だが、独りしかなれないのなら」
「呪いでしかないのなら、意味もないか」
[メイン]
七七 :
「……」
俯く。
[メイン] 神原駿河 : 「すまない、ジョースター卿、貴方のお陰で考えを改められた」
[メイン] ジョジョ : 「御礼を言われるようなことじゃないさ。ぼくの主観だからね」
[メイン] ジョジョ : 「……だけど、大昔に死んだはずのぼくが、今ここにいることに理由を付けるとしたら」
[メイン] ジョジョ : 「その呪いを断ち切ることに、あるんだと思う」
[メイン] 神原駿河 : 「……なるほど」
[メイン]
神原駿河 :
「今を生きる人間が、過去に去った先人に助けられてばかり…」
「では今を生きる甲斐がない」
[メイン] 神原駿河 : 「是非とも、協力させてもらいたい」
[メイン] ジョジョ : 「……ありがとう」
[メイン] 七七 : 「…………」
[メイン] 七七 : 「……いいの? するが」
[メイン] 神原駿河 : 「七七?」
[メイン] 七七 : 「……するがも、なにかをどうにかするために来たんでしょ?」
[メイン] 神原駿河 : 「……ああ」
[メイン] 七七 : 「……七七は、わからない。もし、その目的がだめになったなら」
[メイン] 七七 : 「どうすればいいのか。」
[メイン] 七七 : 「……命令がないと、わからない。」
[メイン] 神原駿河 : 「……ふむ」
[メイン] 神原駿河 : 「七七、だったら……」
[メイン] 七七 : 「……?」
[メイン]
神原駿河 :
「私や、みんなが。君に手を差し伸べる」
「わからないなら導くし、わかって欲しい時は頭を捻る」
[メイン] 神原駿河 : 「“壁”の時と一緒だ」
[メイン] 七七 : 「……壁」
[メイン] 七七 : 「……壁。七七、覚えてる。」
[メイン] 神原駿河 : 「人間は助けあえる存在だ」
[メイン] 神原駿河 : 「…なら、まあ」
[メイン] 神原駿河 : 「七七とだって、助け合えない理屈はないだろう?」
[メイン] ジョジョ : 「ふふっ」
[メイン] 七七 : ……こくん。
[メイン]
ジョジョ :
「……そうだね。吸血鬼や究極生命体が……人でないものが、人と助け合えない存在なら……」
「逆に、助け合えるということは、人間だってことさ」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] 七七 : 「……なら、七七も……お手伝いする。」
[メイン] 神原駿河 : 「……!」
[メイン] 七七 : 「……七七も、人間でいたいから。……ありがと、するが」
[メイン] 神原駿河 : 「……いいや、こちらこそだ。七七」
[メイン] 神原駿河 : 「助け合えばいい、そんな事実を再確認できたからな」
[メイン] 七七 : 「……うん。」
[メイン]
七七 :
「……まきまは?」
くるりと首だけ動かして。
[メイン] マキマ : 「…人間である内には、手は出せなさそうですね。」
[メイン] マキマ : 「私も『人間』の味方ですから。手伝いします」
[メイン]
七七 :
「……。」
少し嬉しそうに
[メイン] 神原駿河 : 「‥…うむ、目標の再確認ができた」
[メイン]
神原駿河 :
「今日はありがとう、ジョースター卿」
「私は、貴方に会えて良かった」
[メイン] ジョジョ : 「こちらこそ……」
[メイン] 神原駿河 : 右手を差し出して握手を申し込む
[メイン] ジョジョ : ガッシリとそれを握り返して
[メイン] ジョジョ : 「行こうッ!……その呪いをこの世から消す為にッ!」
[メイン] 神原駿河 : 「ああ!」
[メイン] マキマ :
[メイン] マキマ : 「ふむ。通信が入りましたね」
[メイン] 七七 : 「?」
[メイン] マキマ : 「スネークがDIOとやらの関係者と交戦中の様ですが」
[メイン] ジョジョ : 「ディオ……!?」
[メイン] マキマ : 「私は向かいますが…どうしますか」
[メイン]
神原駿河 :
「……少し、セナ達が心配だ」
「襲撃者が一人とは限らない」
[メイン] 神原駿河 : 「二手に別れよう」
[メイン]
:
『この……!!!』
『DIOがァアアッッ~~~~~~~!!!!!』
[メイン] 七七 : 「……。七七、ディオって人、覚えてる。力になる」
[メイン] ジョジョ : 「……ああ。ディオ……」
[メイン] 神原駿河 : 「……分かった」
[メイン] マキマ : 「じゃあ七七ちゃん、行こうか」
[メイン]
ジョジョ :
……彼の遺したものは、あと幾つあるのだろう……
その全てにケリをつけなければ……
[メイン] 七七 : 「……。」
[メイン] 七七 : こくん。
[メイン] 七七 : 「するが。……七七とするが、ディオのこと、知ってる……なら、分かれたほうがいい。」
[メイン] 神原駿河 : 「……ああ」
[メイン] 神原駿河 : 「頑張れ、七七ッ!負けるなよ!!」
[メイン]
七七 :
「……するがもね。」
にこりと、拳を突き出し。
[メイン] ジョジョ : 「ぼくたちはエイハブのもう一方の方に行こうッ!」
[メイン] 神原駿河 : 拳を突き合わせ、その後ジョナサンに続き走る
[メイン] 七七 : それを確認して、とてとてとマキマの後ろ姿を追う。
[メイン] マキマ : 「場所は…葬られた所らしいね」
[メイン] 七七 : こくり。
[メイン] 七七 : 「覚えてる。」
[メイン]
七七 :
[メイン]
七七 :
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ :
[メイン]
エイハブ :
「───時間を……止めたのか?
あの女は……それだけだと信じたいが」
鯉口を寛がせていた───アヌビス神に、『義手』で触れる。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「にしても、厄介ね」
[メイン] エイハブ : 「───何だと?」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「『能力の種』が割れているというのは」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「知られてさえいなければ、能力を『見抜く』前に仕留めることだって出来る。私の能力は『そういう』タイプの力よ」
[メイン]
エイハブ :
「だが
いくら自分が引くのが『ジョーカー(ババ)』……だと目に見えて……わかっていてもだ
絶対に引かなければならなければ 避けられず
『ジョーカー』を引き
抱え落ち……目に見えた『敗北』に陥る…………」
[メイン]
エイハブ :
「俺は確かにお前の能力を『見抜いた』が……
お前はその、『絶対にババを引かせる』ぐらいの手練れだというのは
わかる───」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「そう?評価されているようで嬉しいわ」
[メイン]
エイハブ :
───アヌビス神。
牽制だ。『透過』!!!
[メイン] アヌビス神 : ───わかっている。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「だけど」
[メイン] エイハブ : 「!!」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「自分の都合のいい方に考えようとするのは直した方がいいわね」
[メイン] 十六夜咲夜 : 指を鳴らす。
[メイン]
エイハブ :
!?
───何。
[メイン] 十六夜咲夜 : 途端、スネーク以外の全てが加速する。
[メイン]
十六夜咲夜 :
……いや。
彼の感じる『時間』が、長く長く、引き伸ばされているのだ。
[メイン]
エイハブ :
馬鹿な
『時間停止』ではない、これは……俺以外の『時間』が急加速……いや
引き延ばされている。俺の時間が。鈍い。
緩やかな風すらも、俺の足に絡みついてくるほどに。
[メイン] エイハブ : だが───
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……あら。『こっち』は初見だったみたいね」
[メイン]
エイハブ :
咲夜からして、ゆっくりと、だが
アヌビス神を───手元から
[メイン]
:
ギャンッッ!!!
オォオオオ────ッッッッ!!!
[メイン]
:
アヌビス神が
咲夜には『透過している』と悟られないよう、凄まじい速度で『回転』し
投擲される───
[メイン] 十六夜咲夜 : 「剣を投げ……?」
[メイン]
エイハブ :
「こ……れ……も……
『初見』
…………だ………ろう」
[メイン] 十六夜咲夜 : 咄嗟にその場から消えるように、その軌道から外れて現れる
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……ヤケかしら?」
[メイン]
アヌビス神 :
───フッ かかったなッ!!
そしてエイハブ……すまねえが
[メイン] アヌビス神 : 掠る程度なら『透過』は……『解除』するッ!!!
[メイン]
:
アヌビス神は、エイハブの投擲方法によるものか
ブーメランのように───返ってくるッ!!!
そしてその進路は───
[メイン] : 咲夜の『肩』を、掠ろうと───
[メイン] 十六夜咲夜 : 「ッ!?」
[メイン]
エイハブ :
「ッ───」
アヌビスめ……だが、"通用"したか……俺のやり方も
この乱れ狂う『時間』にッ!!
[メイン] 十六夜咲夜 : 肩をかすめ、そのまま回って着地する
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……『二度』は通用しないわよ」
[メイン] アヌビス神 : 「『二度』通用しないのは……こっちの『台詞』だぜ」
[メイン]
エイハブ :
「…………お前は、時間を止め、そして加速させる事すらできる
俺にはそのどちらも、ましてや時間を遡らせる事もできん」
[メイン] エイハブ : 「だが……」
[メイン] エイハブ : 「『時間稼ぎ』はできた」
[メイン] エイハブ :
[メイン]
十六夜咲夜 :
「『時間稼ぎ』……!?」
[メイン] 十六夜咲夜 : しまった……『遊びすぎた』……ッ!
[メイン]
:
[メイン] : 「……あっちが、敵。」
[メイン] : 狙いを定めて。指鉄砲を構え。
[メイン] マキマ : 「ぱん。」
[メイン] 十六夜咲夜 : 殺気。
[メイン] 十六夜咲夜 : 再びそこから姿を消して、別の場所に現れる
[メイン] 七七 : 「…………。惜しい。」
[メイン] マキマ : 「ありゃ。外れちゃった」
[メイン]
エイハブ :
「…………来てくれたか、藪をつっついて蛇を出すのが好きなお嬢さんで助かった……」
咲夜を見て、ニタリと笑いながら膝をついて息を上げる。
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] 七七 : 「こっちは、味方。」
[メイン]
エイハブ :
「ああ───聞いている 七七……『縁起』の良い名前だな
『7』が『二つ』だ」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……新手が二人」
[メイン] マキマ : 「無事のようだね、スネーク」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「『遊びすぎた』わね」
[メイン]
エイハブ :
「ああ───……」
マキマの右手を───生身の右手で触り、起き上がる。
[メイン]
エイハブ :
「だが ここからは『遊び』じゃあない
…………お前のその能力は『脅しの道具』じゃあない」
[メイン]
エイハブ :
「そして……こっちも『同じ』だ
『遊び道具』も『脅しの道具』も無い……」
[メイン] 十六夜咲夜 : 懐中時計を取り出す。
[メイン] 十六夜咲夜 : 先述した通り『ルナ・ダイアル』はスタンドビジョンを持たない
[メイン] 十六夜咲夜 : その引き換えに得た『父』を超えた『能力』
[メイン] 十六夜咲夜 : 『停止時間』は
[メイン] 十六夜咲夜 : 『無制限』
[メイン]
エイハブ :
───『懐中時計』…………?
まさか…………
あれが『スイッチ』か……!!? いや早計か?
来る───…………
[メイン] エイハブ : …………
[メイン] アヌビス神 : …………
[メイン] 七七 : …………あの『DIO』と同じ能力なら。認識できなければ━━防御に回るしかない、はず。
[メイン] マキマ : ふむ…未来の悪魔。見せてごらん。
[メイン] 七七 : 素早く身体を『透明化』させ━━雌伏する。
[メイン] 十六夜咲夜 : 急激。かの男があの時展開した数を軽く越える数の『ナイフ』。
[メイン] 十六夜咲夜 : それが眼前に広がると同時に、彼女そのものは既に遠ざかるように駆け出している
[メイン]
エイハブ :
「───!!!」
雨、否……『ナイフ』ッ!!!
[メイン]
エイハブ :
"アヌビス神"を───振るい
こちらへと迫ってきたナイフを、叩き落す……が
まるで先ほどの『お返し』でもされるかのように、肩を掠め……
[メイン] エイハブ : とうとう肩に深々と、突き刺さるッ!!!
[メイン]
エイハブ :
「ッ───!!!」
DIO以上の……時間の"停止時間"を有する そう考えるしかない。
[メイン]
七七 :
「…………!!!」「グアゥゥ……!!!」
透明な『死骸』を楯に、すぐに身を隠す。
[メイン] 七七 : 「……大丈夫…?」
[メイン]
エイハブ :
「───これは……」
透明な何かがナイフによって片側だけその輪郭を現しており……
七七も透明化しているのに気づき、その能力をすぐ様『理解』する。
[メイン]
エイハブ :
「……助かった」
幼気な少女の手を取り、膝をつきながらも透明な何か越しに
駆けだした咲夜を見る───。
[メイン] マキマ : 「なるほど…未来で見た通りだったね。彼女の能力は…未来には特に影響は無さそうかな。」
[メイン]
七七 :
「……」
エイハブとマキマを交互に見て。
[メイン] 七七 : 「……あるの?勝算。」
[メイン]
エイハブ :
たとえ、『現場』に向かったとしても
『遺骨』をすぐに見つけられる可能性は薄い。
そもそも『無い』事も『あり得る』……
[メイン] エイハブ : 「俺に関しては一つだけ……だが引っかかってくれるかわからないが、な」
[メイン] マキマ : 「どうだろうね、彼を呼んでもいいけど…」
[メイン] エイハブ : 「───"彼"?」
[メイン] マキマ : 「私のヒーローとでも言っておこうかな」
[メイン]
エイハブ :
「───そのヒーローを呼ぶ前に……一つ試そう
…………七七、そして……マキマ」
初めて、その"女"の名を口にした───。
[メイン] マキマ : 「何かな」
[メイン] 七七 : 「なに?」
[メイン]
エイハブ :
「───」
妖刀、アヌビス神を掲げる。
「コイツに触れれば…………たとえ『時間』をどれだけ操ろうと
……"効く"はずだ……まともな意識への濁流……」
[メイン]
エイハブ :
「だが そう簡単に引っかかるとは思えない
そもそも あの女はまだこの刀を"不可思議"とまでしか思っていないはずだ」
[メイン] エイハブ : 「俺の この刀を頼らざるを得ない"状況"に追い込みたい」
[メイン]
エイハブ :
「…………その為に 二人でどうにか……"追い込んでくれ"
きっとマキマ、そして七七の『能力』なら、できるはずだ
そしてなるべく血は流さず解決すると、信じたい」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] エイハブ : 「───……」
[メイン]
エイハブ :
「『頼む』」
まっすぐな目で、七七を。
[メイン] マキマ : 「…仕方ありませんね。」
[メイン] 七七 : 「うん。追い込めばいいんだよね」
[メイン]
エイハブ :
「ああ───『感謝』するッ!!」
立ち上がり、ニヤリと口角を上げる。
[メイン]
エイハブ :
「俺は精々……あの女にとって、"攻略済み"の歩く武器庫と言わんばかりに振舞って見せるさ」
アヌビス神を再び、鞘に納め。
[メイン] エイハブ : ───駆ける。
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ :
[メイン]
:
そして
とうとう咲夜には、それらしき『場所』が見えてくる。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……あそこね」
[メイン] : 咲夜の前に、鼠が集まってくる。
[メイン] : 人の高さまで、積み上がり。
[メイン] : 出てくる。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「何・・・?」
[メイン] マキマ : 「待っていましたよ。」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……貴方」
[メイン] マキマ : 「未来でここに来るのも見てました」
[メイン] マキマ : 「全て、想定通りですね。」
[メイン] マキマ : 「さて」
[メイン] マキマ : 「貴方の目的を聞いておきたかったのですが。」
[メイン] マキマ : 「『話して』くれますね」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……父の骨。それを、取りに来たの」
[メイン] マキマ : 「ふむ。それだけが目的とでも?」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「そ……それだけ。私だって、なんで取りに来たかも分かってなくて……」
[メイン] 十六夜咲夜 : (……待て。私はなぜこんなにペラペラと喋っている?)
[メイン] マキマ : 「………おや、着きましたか。」
[メイン] 七七 : 「……お話は終わった?」
[メイン] 七七 : 空中に座り込んだまま。
[メイン]
エイハブ :
「───…………」
七七、マキマと違い───……好機が訪れるまで『ステルス』をする男が、一名。
[メイン] マキマ : 「えぇ。彼女は、誰かの命令で動いてる様ですね。」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……」
[メイン] 七七 : 「ふうん。」
[メイン] 七七 : 「じゃあ、悪い人じゃないなら……許す?」
[メイン] マキマ : 「彼女次第、になりますね」
[メイン]
十六夜咲夜 :
「……勘違いしないでくれるかしら。
取りに来たのは……あくまで私の意志よ」
[メイン]
エイハブ :
"私の意思"…………
本当にその意思は……お前の"物”なのか……
いや、あるいは……。無意識的『好奇心』……『寂しさ』か……
[メイン] マキマ : 「ふむ…」
[メイン] 七七 : 「だって。」
[メイン] マキマ : 「では…拘束させてもらいましょうか。」
[メイン] 七七 : 「うん。」
[メイン] マキマ : 「蛇の悪魔。」
[メイン]
七七 :
「おいで。」
指の上に小さな虫たちがうじゃり、と。
[メイン]
七七 :
ビスケットの時間だよ。
「『limp biscuit』」
[メイン] : 咲夜の背後から、奇妙な形をした蛇がやってくる。
[メイン]
十六夜咲夜 :
ジャラ、と懐中時計を取り出して
押し込むと同時に姿を消す
[メイン] 七七 : ゆらり、とその姿が消える。
[メイン] マキマ : 「知っていますか?蛇から…スネークからは逃げられませんよ。」
[メイン] 十六夜咲夜 : 姿を別の場所に現して
[メイン] 十六夜咲夜 : 「それが貴方達のスタンド?」
[メイン] : 「…………答える意味、あるの?」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「あら、聞かせてもらっても」
[メイン] 十六夜咲夜 : 周囲に無数のナイフがばら撒かれ
[メイン] 十六夜咲夜 : 「いいんじゃないかしら!?」
[メイン] : 「………!!!」
[メイン]
マキマ :
蛇の悪魔を通して、七七の位置を見分ける。
[メイン] マキマ : 簡単な話ですね。周囲とは違う温度を見つければいいのですから。
[メイン]
:
ざくざくとナイフの突き刺さる死骸たち。
次々とそれらに身を隠して、咲夜を観察する。
[メイン] : ……マキマにだけわかるように、透明なままこくりと頷いて。
[メイン] マキマ : さて。…あの瞬時の移動が厄介ですが。
[メイン] マキマ : 未来の悪魔で出現する位置はもうわかっているので…
[メイン]
十六夜咲夜 :
体術と、時間を停止させた移動を織り交ぜながら
無数の刃を散らす
[メイン] マキマ : さしたる問題ではありませんね。後ろです、蛇の悪魔。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……何ッ!?」
[メイン] 蛇の悪魔 : 「ヒャハハハハァ!」
[メイン] マキマ : 「そうです。そのまま拘束に入りなさい。」
[メイン] 十六夜咲夜 : (回られた……どこに移動するかを読まれた!?)
[メイン] 蛇の悪魔 : 「僕の術で拘束させてもらうよ。」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……ざけっ……」
[メイン] 十六夜咲夜 : 咄嗟に指を鳴らそうとして
[メイン]
蛇の悪魔 :
印を結び。
「涅槃精舎の術!」
[メイン] : 咲夜の辺りは、白い羽の幻影に覆われる。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「何……ッ!?」
[メイン] 十六夜咲夜 : ……急に、何か……
[メイン] 十六夜咲夜 : 幸せな……感覚……が……
[メイン] : この白い羽を見た者は、まるで桃源郷にいるかのような快楽に陥り、安穏たる眠りへと誘う。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「…………」
[メイン] 蛇の悪魔 : 「これで終わり…だね。」
[メイン] :
[メイン] : 『十六夜』
[メイン] : 『咲夜』
[メイン] :
[メイン]
エイハブ :
「───」
終わった。出るまでもなかったな、と思おうとしたその時。
突如、走る───『悪寒』
[メイン] : 「…………!!」
[メイン]
:
『……』
『来たか……』
[メイン]
:
───刹那。
十六夜咲夜の額へと、引き寄せられたそれは───。
[メイン]
:
───DIOの額の『遺骨』
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……?」
[メイン]
:
突如、咲夜に雪崩れ込む───
『記憶』 それは
[メイン] :
[メイン] : 『ディオ・ブランド―』
[メイン] :
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……」
[メイン]
エイハブ :
バカな……!!!
あれは───……!!?
[メイン] 蛇の悪魔 : 一旦離れ、マキマの所に戻る。
[メイン]
十六夜咲夜 :
「……ディオ……ブランドー……」
「父さん……」
[メイン] : 「……?」
[メイン]
:
『恐れるな』
『そして 引き込まれるな』
『私の声だけを聴けばよい……』
[メイン] :
[メイン]
ザ・ワールド :
ド
ウ
ゥン
[メイン] エイハブ : 「───!!?」
[メイン] 十六夜咲夜 : 必要なものは『わたしのスタンド』である。
[メイン] 十六夜咲夜 : 『ザ・ワールド』
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……そう。『ザ・ワールド』」
[メイン] 蛇の悪魔 : 「マキマ様、どうやら彼女は……」
[メイン]
ザ・ワールド :
───咲夜の『傍』に佇むそれは
ニタリと口角を上げ、その深紅の瞳を妖しげに光らせる。
[メイン] マキマ : 「そうだね。下がっていいよ。」
[メイン] 七七 : 「……あれは……」
[メイン]
蛇の悪魔 :
「了解しました…」
──姿を消す
[メイン]
:
『───乗り越えろ咲夜』
『恐怖を克服した者が……成長できる』
『そして……"支配"する事も』
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……お嬢様が言ってたのはこういうことだったのね」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「これが……これがッ!!!」
[メイン] エイハブ : 「『遺骨』が……彼女の『額』に吸い付いて……」
[メイン]
エイハブ :
「そして───『世界』の"スタンドヴィジョン"が……彼女の傍に佇んでいる……
俺の見た時よりも……その輝きが、嫌に増している……!!!」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「天国へ行く方法……完全に『理解した』わ」
[メイン] エイハブ : 「───『天国』……?」
[メイン] マキマ : 「ふむ……天国」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「そして、これからやるべき事も……」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン]
エイハブ :
「…………」
いや、続ける。
なおさら……この刀に彼女が、触れなければならない。
[メイン]
エイハブ :
俺は『ステルス』のまま
彼女へと接近する───まだ追い込め切れていないが
少しでも動かなければ……何か、まずいッ!!
[メイン] 十六夜咲夜 : 「そこかッ!!」
[メイン]
エイハブ :
「───!!!」
ステルス、消音状態にも関わらず。
『気配』だけで───
[メイン] マキマ : この距離からは…私は間に合わないか。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「『無駄』ァッ!!」
[メイン]
エイハブ :
速いッ
アヌビス───を引き抜くよりも、遥かにその拳は……!!!
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ : 死───……
[メイン] : ぼこん。
[メイン] : 柔らかい肉塊に、穴の開く音は━━まるで、既に腐っているようで。
[メイン]
エイハブ :
───音。
その音の気味の悪い耳障りは、聞いたことがある。
[メイン] エイハブ : そう、あのナイフの雨霰……それを喰らいかけた時。
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ : 七七───。
[メイン] : 「……だいじょう、ぶ?」
[メイン]
エイハブ :
「ああ───『頼める』か……いや、二言はいらないな」
すでに『頼んでいる』のだから。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「チッ……!」
[メイン] 七七 : 「……。」
[メイン] 七七 : 左脇腹に穴を開けたまま、そこに、立っている。
[メイン] 七七 : 「━━あなたは、敵」
[メイン]
エイハブ :
その───『静寂』とも言える出で立ち。
幼気な少女なはずだが、そうとも思えない……矛盾すら感じる神秘的な出で立ち。
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ : ───クワイエット……。
[メイン]
エイハブ :
俺は、もうその傍に立つ事のない者の名を、脳裏に過ぎらせながら
気配を、音を殺し、一旦離れる。
気配という『匂い』を、覚えさせないよう断ち切るように。
[メイン] 七七 : 「……。」
[メイン] 七七 : 「やってみなよ。」
[メイン] 七七 : 挑発するように。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……『ザ・ワールド』ッ!!時よ止まれッ!!!」
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン]
七七 :
・・・・
「そっちは、もう知ってる。上があるんでしょ?」
[メイン] 七七 : じっと咲夜を見つめ。
[メイン]
十六夜咲夜 :
『ルナ・ダイヤル』。
その『能力』そのものは『ザ・ワールド』を凌駕するもの。
ではなぜその『世界』が必要なのか。
[メイン] 十六夜咲夜 : 必要なのは、そのビジョン。
[メイン] 十六夜咲夜 : 彼女が、そして彼が『上』に至るためにした判断は
[メイン] 十六夜咲夜 : 『逃走』。
[メイン] 十六夜咲夜 : 狙いは、近くに存在するはずの
[メイン] 十六夜咲夜 : 『Dirty deeds done dirt cheap』
[メイン] 十六夜咲夜 : 次の瞬間、彼女はノーモーションで既に『走り出して』いる
[メイン] : 「……」
[メイン] : がしり。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……!?」
[メイン] : 「『時を止める』……そして、『加速させる能力』……だったよね。」
[メイン]
七七 :
・・・・・
「『生物以外を』」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「せ……生物以外……?」
[メイン] 七七 : ゆっくりと、その量の足を掴む手を実体化させる。
[メイン] 七七 : 「うん。あなたは自由に動けるのは、そういう能力━━だから。でも」
[メイン] 七七 : 「ナイフが動くのは、それがその瞬間……生きていないから」
[メイン] 七七 : 魂までは、時間で制御できない━━だっけ。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「な、何を言ってるの?私の能力は……」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……っ、離しなさい……っ!」
[メイン] 七七 : 「……。」
[メイン] 七七 : 「……知ってる?エンバーミング。」
[メイン]
七七 :
「そこらの死体は朽ちちゃうけど、『キョンシー』はね。」
「長い年月でも、腐らないようになってるの。」
[メイン] 七七 : 「だから、あなたがどれだけ時間を止めて、飛ばしても━━」
[メイン] 七七 : 「……この手は、朽ちることなく━━離れない。」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……」
[メイン]
十六夜咲夜 :
止めれば?
力が弱まるわけじゃない。
[メイン]
十六夜咲夜 :
加速させて朽ちさせる……
彼女が前置きした以上それは無理……
[メイン]
十六夜咲夜 :
私を加速させ……
別に物理的に早くなるわけじゃ……
[メイン]
十六夜咲夜 :
「……振りほどけない!?」
[メイン] 十六夜咲夜 : ……いや、違う!今の私にはアレが……!
[メイン]
七七 :
「……」
━━ああ。
[メイン]
七七 :
これほどまでに『生』を渇望しているのに。
この『シタイ』が誰かの助けになるのなら。
[メイン] 七七 : 『運』められた『命』だなんて、クソ喰らえ。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「『無駄』ァーーーーーッ!!!」
[メイン] 七七 : 「……。」
[メイン] 七七 : どれだけの拳が、脚が、襲い掛かかったところで。
[メイン] 七七 : ━━既に、それを反射的に離してしまうほどの……痛覚は、ない。
[メイン] 七七 : 「……うん。それをやめた時が、あなたの最期。」
[メイン] 十六夜咲夜 : 『ルナ・ダイヤル』
[メイン] 七七 : 「『我慢比べ』と行こうよ。」
[メイン] 十六夜咲夜 : 時間を、自在に操るその能力に
[メイン] 十六夜咲夜 : 『時を戻す』ものは、含まれていない。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「うあああああッ!!!!」
[メイン]
十六夜咲夜 :
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッッ!!!」
必死に拳を叩き込んで……
[メイン] 十六夜咲夜 : ……あ。ダメだ。
[メイン] 十六夜咲夜 : あくまで、借り物の能力であるその『ビジョン』
[メイン] 十六夜咲夜 : それを得たばかりで、ここまで酷使して
[メイン] 十六夜咲夜 : 保つだけの『精神力』は、彼女にはない
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……私が」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン]
:
『咲夜』
『私がついている』
[メイン]
:
『───打ち込め』
『『拳』を……打ち込み続けろッ!!』
『私の『娘』だろう───?』
[メイン] 十六夜咲夜 : 「父さ……ッ」
[メイン] 十六夜咲夜 : この瞬間
[メイン] 十六夜咲夜 : 皮肉にも、脳内に響いた声に気を取られ
[メイン] 十六夜咲夜 : ……拳の雨が、綻んだ
[メイン]
エイハブ :
───七七
[メイン] 七七 : …………。
[メイン]
七七 :
ちゃんと、追い込ませた。
……だから、今度は━━『頼んだ』よ。
[メイン]
エイハブ :
───"了解"した……!
[メイン]
エイハブ :
突如、咲夜の死角から"現れる"
───もう一匹の"蛇"
その義手に握られていた妖刀を───
[メイン] エイハブ :
[メイン]
エイハブ :
咲夜の腕に
斬りつけるのではなく、ただ───添えた。
[メイン] アヌビス神 : …………
[メイン] アヌビス神 : 許せ、DIO様……。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「っ!?」
[メイン] 十六夜咲夜 : もう一つの意識が、流れ込む
[メイン]
アヌビス神 :
雪崩れ込ませるッ!!!
こっちも『我慢比べ』だ───…………!!!
[メイン]
:
『『アヌビス』───』
『キサマ……!!!』
[メイン]
:
スタンドの精神力───そして能力による強制力。
それは侮りがたい物。
[メイン]
:
たとえ、執念深い
深い、深い……あまりにも深い感情で『支配』しようとしても。
[メイン] アヌビス神 : 絶~~~~~~~~~~~~~~~~…………
[メイン]
アヌビス神 :
対にッ!!!
負けないッ!!!
[メイン] : 刹那、咲夜の額から───
[メイン] :
[メイン] : 『遺骨』は弾け飛び、遠くへと……飛んでいく。
[メイン] マキマ : 「………………」
[メイン]
エイハブ :
「……ハァーッ……ハァーッ……」
額から汗が滲むどころか、滝のように流れる汗。
[メイン] 七七 : 「…………」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……父さ……お嬢……様……」
[メイン] マキマ : 「お疲れ様でした。」
[メイン] 七七 : うつ伏せた姿勢で、終わりもわからぬまま両の脚を握っている。
[メイン]
エイハブ :
「───大丈夫だ……
『摘出』した」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン]
エイハブ :
しかし───『遺骨』はどこへいった?
…………見当たらない。あれほど目立つはずだというのに。
[メイン]
七七 :
「……終わったの?」
むくり、顔だけを起こして。
[メイン]
エイハブ :
「…………まだだ
だが……彼女は救われた、はずだ」
[メイン] マキマ : 「そうですね。では…戻りましょう。」
[メイン] 七七 : 「……離していいの?」
[メイン]
エイハブ :
「ああ……これより『帰還』する……」
七七の方に目をやる。
[メイン] エイハブ : 「大丈夫だ。もう……"敵"じゃあない」
[メイン] エイハブ : 「ありがとう、七七」
[メイン]
七七 :
「……」
こくん。
[メイン] 七七 : ぱ、と手を解く。
[メイン] 七七 : やがて、ところどころ歪に凹んだ全身を起こして。
[メイン] 七七 : 「ばいばい。」
[メイン] 七七 : 二人の影をとてとてと追う。
[メイン]
エイハブ :
「…………アンタ、名前は……訊いてなかったんでな」
ふと、立ち止まって咲夜に目をやる。
[メイン] エイハブ : 「『ブランド―』ではないんだろう」
[メイン]
エイハブ :
「───いや……いい、それだけでもわかるのなら
父親の事は忘れろ…………血の繋がりが、全てではない」
[メイン]
エイハブ :
サダメ
「その血の、運命を背負わなくてもいい」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……十六夜」
[メイン]
十六夜咲夜 :
「十六夜咲夜……」
訳も分からず。名を聞かれたことだけを悟って。
[メイン]
エイハブ :
「……十六夜 咲夜……
アンタは、操り人形でも、殺人人形でもない
『幻在』を見ていただけに過ぎない……」
[メイン] エイハブ : 「お前は、お前だ」
[メイン]
エイハブ :
「…………」
そう言い残し、エイハブは七七と足並みを揃え
財団施設へと戻っていく。
[メイン] 七七 : ━━かしり、とペンが紙の上を走る音。
[メイン] 七七 : 「……覚えた。」
[メイン]
十六夜咲夜 :
……それを聞いて、微笑んで
眠るように、その場に崩れ落ちた
[メイン] マキマ : さて………飛んで行った遺骨はどうしましょうか。
[メイン] マキマ : 「………………」
[メイン]
エイハブ :
「…………」
静寂。まるでそれは。
[メイン]
エイハブ :
嵐の
前触れのように。
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ :
[メイン] :
[メイン] : その頃、財団施設にて───
[メイン] テネブレア : 「ままぁ〜……どこにいくの…?」
[メイン] ロレンチーニャ : 辺りの機材から顔を出して
[メイン] ロレンチーニャ : 強制的に、生物が入眠を起こす電流を伝わせる
[メイン] テネブレア : 「ん………ままぁ………」
[メイン] テネブレア : 「むにゃ………むにゃ……」
[メイン]
氷室 セナ :
「…はぁ」
深い溜息
[メイン] 氷室 セナ : 「最初からこうすればよかった…」
[メイン] 氷室 セナ : そのまま屈んで
[メイン] 氷室 セナ : テネブレアの額に手を当てる
[メイン] 氷室 セナ : 「…スタンドが見えるなら、おそらく…こちらか、自然な覚醒だと思うんですがね」
[メイン] 氷室 セナ : そこから、人体に納められた"何か"を探るように
[メイン] テネブレア : 「ん………んんっ………ままぁ……だいすきだよぉ……」
[メイン]
氷室 セナ :
「…」
溜息
[メイン] テネブレア : 私から、DISCが排出される。
[メイン] 氷室 セナ : 「…やはり、これで」
[メイン] 氷室 セナ : そのDISCを回収した後
[メイン] 氷室 セナ : テネブレアを適当なベットに置いておく
[メイン] テネブレア : 「………すぅ…………すぅ……………」
[メイン] 氷室 セナ : 「…これも報告ですね」
[メイン] 氷室 セナ : そのまま、部屋を退出する
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ : …
[メイン] 氷室 セナ : 手元に、あるこのDISC
[メイン] 氷室 セナ : 本来なら、これは厳重に保管されるべき…だが
[メイン] 氷室 セナ : …私は、躊躇いなくそれを差し込む
[メイン] 氷室 セナ : 本来ならこれは命令違反も過ぎる、が
[メイン] 氷室 セナ : …私には、今は得られるならば力が───
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ : ───我が心と行動に一点の曇りなし……全てが『正義』だ
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン]
氷室 セナ :
「……く」
軽くよろめく
[メイン] 氷室 セナ : ……今のは、アメリカ…いや、おかしい
[メイン] 氷室 セナ : ……"時代が違い過ぎる"…?
[メイン] 氷室 セナ : ふと視線をあげると、目の前には
[メイン] D4C : ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
[メイン] 氷室 セナ : 「……アイツ」
[メイン] 氷室 セナ : 「一体、なんで……今あんな姿に…こんなものを持ってたのに」
[メイン] 氷室 セナ : 再び溜息を吐き
[メイン] 氷室 セナ : 記憶で見た事を、確かめるように
[メイン] 氷室 セナ : 先程寝かした部屋のドアに
[メイン] 氷室 セナ : その身を"挟み込む"
[メイン] 氷室 セナ : パタン
[メイン] 氷室 セナ : ドアが閉まれば
[メイン] 氷室 セナ : 何もなし…
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ : パタン、今度は別の…施設のセナの自室で開閉音
[メイン] 氷室 セナ : 「…はぁ、はぁ…」
[メイン] 氷室 セナ : 少し息粗く、そのまま椅子に座り
[メイン] 氷室 セナ : 「…よもや、でしたが…」
[メイン] 氷室 セナ : 「"隣"…というのはそこまででした、か」
[メイン] 氷室 セナ : 鞄を開き、ごとんと
[メイン] 氷室 セナ : 複数のノート積まれた机に
[メイン] 氷室 セナ : 石の仮面と
[メイン] 氷室 セナ : 真紅の石
[メイン] 氷室 セナ : 「……」
[メイン] 氷室 セナ : 「最悪の場合、私の力で戻せばいい」
[メイン] 氷室 セナ : 「…それまでは、これの力を調べなければ」
[メイン] 氷室 セナ : 石を嵌めて、仮面を光に晒せば
[メイン] 氷室 セナ : ガチン、と
[メイン] 氷室 セナ : 鋭い針が
[メイン] 氷室 セナ : 「…吸血鬼も、屍生人も…」
[メイン] 氷室 セナ : 「人に戻る施術を…」
[メイン] 氷室 セナ : そのまま、仮面を置いて
[メイン] 氷室 セナ : 部屋のドアに鍵をかけるのだった
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 氷室 セナ :
[メイン] 第三の少年 :
[メイン]
第三の少年 :
まるで───当然のように
"置かれた"仮面を、傍で見ていた。
[メイン] 氷室 セナ : 「…ッ!?」
[メイン]
第三の少年 :
「…………」
その髪は、逆立っており
同時に……そのマスクには。
[メイン] :
[メイン]
:
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
[メイン] 氷室 セナ : 「…貴方はッ!」
[メイン] 氷室 セナ : 瞬時に、対抗しようとするが
[メイン] 氷室 セナ : …隙、瞬く間の登場への動揺もあるが
[メイン] 第三の少年 : セナの額に向かって、手を───もたげる。
[メイン] 氷室 セナ : 二つのスタンドの感覚が、素早い対応を可能とせず───
[メイン]
第三の少年 :
傍で仮面が浮き上がると同時に
その額から───。
[メイン] 氷室 セナ : 「ッ、まさか!」
[メイン]
第三の少年 :
ヒュッ
[メイン]
第三の少年 :
少年と共に浮かび上がるは
スーパーエイジャ、石仮面…………そして『D4C』のDISC
[メイン] 氷室 セナ : 「…は、やい」
[メイン] 第三の少年 :
[メイン]
:
少年は、そのまま音を立てる事もなく
ぱたんっと、目の前から消え去った。
[メイン] 氷室 セナ : ぐらり、と
[メイン] 氷室 セナ : スカイハイの何倍ものスタンドパワーを奪っていたソレを奪われ
[メイン] 氷室 セナ : 声をあげる事も出来ず、そのまま倒れ伏す
[メイン]
:
その時、通信端末が
状況に似つかわしくないほどに微かに鳴る。
[メイン]
エイハブ :
『こちらエイハブ』
『遺骨が消えたが────…………?』
[メイン] エイハブ : 『どうした!?』
[メイン] 氷室 セナ : 「…エイ、ハブ…」
[メイン] 氷室 セナ : 声が続かない、が
[メイン] エイハブ : 『───まさか』
[メイン] スカイハイ : その手に遅れながらも、スタンドを展開し
[メイン] ロレンチーニャ : 携帯に、群がり
[メイン] ロレンチーニャ : パチ、パチと
[メイン] ロレンチーニャ : 信号を打つように、放電する
[メイン] : [スタンド、仮面、赤い石]
[メイン] : [浮かぶ少年、奪取]
[メイン] : [私の責任]
[メイン] 氷室 セナ : そのまま、気絶すると
[メイン] ロレンチーニャ : 携帯に集まっていたソレは雲散霧消した
[メイン]
エイハブ :
『…………!』
『…………セナ!!! セナ……』
気絶したであろう彼女に、もうその声は届かず。
[メイン] エイハブ :
[メイン]
エイハブ :
「…………」
通信を切り。
[メイン] マキマ : 「………?どうしたのかな」
[メイン]
七七 :
「……?」
不安げに覗き込む。
[メイン]
エイハブ :
「何かスタンドと、……"石仮面"並びに"スーパーエイジャ"が盗まれた……!!!
『空に浮かぶ少年』の手に……」
[メイン] 第三の少年 :
[メイン] 第三の少年 : 「…………」
[メイン]
エイハブ :
「!! ……アレだ」
麻酔銃で、狙いを定める。
[メイン]
七七 :
「…………っ……!!」
構えるも、先程の戦闘の跡で少しふらつく。
[メイン] マキマ : 「………………」
[メイン]
ザ・ワールド :
ド
ウ
ゥン
[メイン] ザ・ワールド : 「ジョジョッ───!!!」
[メイン] ザ・ワールド : 「久しぶりだな……『100年』振り…………と言ったところか」
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン] 神原駿河 : 「……バカな、アイツはッ!?」
[メイン] 神原駿河 : 「セナが仕留めた筈だ、なんで…‥なんでここに、ザ・ワールドがいやがるんだッ!?」
[メイン]
ジョジョ :
感じるッ!
見えなくとも……確かにここにいるッ!
ディオの……『精神』がッ!
[メイン]
エイハブ :
「DIOは……『遺骨』にその残留思念を遺していた……!!!
そして……先ほど再び交戦した……」
[メイン] ジョジョ : 「地獄から戻ってきたぞ、ディオ」
[メイン]
ザ・ワールド :
「フッフッフッ……
ジョジョよ 失われたはずの『過去』同士
這い上がってきたようだな、褒めてやろう」
[メイン]
ザ・ワールド :
そのあまりにも巨大な手に、赤石の石仮面を握りしめ───
[メイン]
ジョジョ :
「再び交戦した……
ディオはここに来るまでに一度エイハブと戦っていたのかッ!」
[メイン] 神原駿河 : 「……待てッ!あの手元の品は…!?」
[メイン]
ザ・ワールド :
「究極生命体を生み出したとされる、スーパーエイジャをはめ込んだ『石仮面』だ…………
だが……柱の男でなければ、究極生命体にはなれない
吸血鬼がこれを……装着しても その針の強さゆえ木っ端みじんとなるのみだ」
[メイン]
ザ・ワールド :
「───フフフ……
それにしてもジョジョ、お前に俺が見えているということは
俺の力は、もはや『スタンド』をも超越し始めているという事ッ!!」
[メイン] 神原駿河 : 「ハッ!?」
[メイン]
ザ・ワールド :
「───我が息子の一人は 矢によって……
スタンドのその先へと向かった……」
[メイン] ザ・ワールド : 「ならば私は、この赤石の石仮面を」
[メイン] 神原駿河 : 「た、確かにジョースター卿に、スタンドが見えている、だが……まさか!!」
[メイン] ザ・ワールド : 「このスタンドに───!!!」
[メイン] ジョジョ : 「ディオ!きみが……きみがそうまでして目指す先には、何があるというんだッ!」
[メイン] 神原駿河 : 「あのザ・ワールドが、スタンドの法則を超えているとでも言うのか……!?」
[メイン]
ザ・ワールド :
オーバーヘブン
「『天国の外側』だ」
[メイン]
エイハブ :
アウターヘブン
「『天国の外側』だと……!!?」
[メイン] ジョジョ : 「『天国』……『天国の外側』だってッ!?」
[メイン] 神原駿河 : 「……くっ!!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「俺は『超越』するッ!!!
───貴様の ジョースター家の守り抜いた地でだァ!!!」
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン] ザ・ワールド : スッ
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン]
:
ジャギンッッッ!!!!!
[メイン]
第三の少年 :
そのまま、第三の少年はゆっくりと地上へと降りていくと
まるで糸の切れた人形のように倒れる。
[メイン]
エイハブ :
「───これは一体……!!!」
眩い閃光が、あたりを包み始める。
[メイン] ジョジョ : 「まさかッ!?」
[メイン] 神原駿河 : 「……これは、なんだ!?」
[メイン] ザ・ワールド : 「…………」
[メイン] 神原駿河 : 悪寒が、走る
[メイン]
ザ・ワールド :
背後に、時を示す"時計"の立体映像のような物を浮かばせながら
その姿は、漆黒に染まる。
[メイン] 神原駿河 : 呼吸をするだけで、命が擦り減っているような嫌な感覚
[メイン] マキマ : 「…何やら不味そうですね」
[メイン] 神原駿河 : 『アレは、ダメだ』
[メイン]
七七 :
「…………!!」
それが降り立ったらしき地へと、脚を動かす。
[メイン] ジョジョ : ジャキ
[メイン] ジョジョ : 咄嗟にその場にあったリボルバーを構える
[メイン] 神原駿河 : 「───ッ!!」
[メイン] 神原駿河 : 「行けッ!!“牙”!!」
[メイン]
:
その時。
満天の星空が───次々と空に『ひっかき傷』を残すように
落ち始めるッ!!!
[メイン] 七七 : 「…………!!?」
[メイン] 神原駿河 : 「──な、なんだァァ!?」
[メイン]
神原駿河 :
「空が、いやッ!!」
「星が落ちて来てるッ!?」
[メイン]
ザ・ワールド :
「───『ジョジョ』
生命の『支配』とはいろいろな物が存在するだろう」
「俺を一度は打倒した女は……心を通わせ
俺とかつて対峙した男は……魂を支配したという
マキマ
そこの『女』も、支配する側だろう」
[メイン] マキマ : 「ほう。」
[メイン] ジョジョ : 「『支配』だってッ!?」
[メイン] マキマ : 「気付いていましたか」
[メイン] 七七 : 「…………」
[メイン]
ザ・ワールド :
「ジョジョッ! そしてエイハブよ
キサマらは、この星々のように降り注いできたのだ」
「わかるか」
「この落ちゆく星々全ては、失われたはずの『生物』
そして……『この世界には存在しないはずの生物』も含まれている」
[メイン]
ザ・ワールド :
「───増えていくのだ
生命体がこの地球上に産み落とされていく事によって
力の『解釈』というものがな」
[メイン] 神原駿河 : 「……オイ、まさか」
[メイン] ジョジョ : 「ぼくが……ぼくが今ここにいるのは……今『落ちてくる』星と同じ原理だっていうのかッ!」
[メイン]
ザ・ワールド :
瞬間、ザ・ワールドは両腕の手首を合わせ
両手を、まるで花が咲くかのように広げる───
[メイン]
ザ・ワールド :
「そういう事だァッ!!!
死ねいッ!!!」
[メイン]
ザ・ワールド :
───放たれるのは
『破壊』の限りを尽くす、巨大な閃光。
[メイン] 七七 : 「…………なに、あれ。」
[メイン] 神原駿河 : 「──ッact3ィィ!!」」
[メイン]
エイハブ :
「!!? ウォオオオオオッッッッ───!!!!!!」
スタンドがこれほどのエネルギーを放てるというのか、これが……!!!
俺の身体は遠くへと吹き飛ぶ。
[メイン]
ジョジョ :
メタルシルバーオーバードライブ
「銀色の波紋疾走!!!」
[メイン] act3 : 迎撃の為、『黄金回転』の爪弾を真っ向から撃ち込む
[メイン] ジョジョ : 波紋を流した弾丸がタンタンと音を二回鳴らして叩き込まれる
[メイン]
ザ・ワールド :
「!! 向かってくるかッ!!
だが……!!! 俺はこの降りゆく星々の『生物』の力を使えるのだッ!!!」
───
[メイン]
ザ・ワールド :
帯電。
瞬間───弾丸を弾き飛ばす。
[メイン] ジョジョ : 「何ッ!?」
[メイン] 神原駿河 : 「なっ!?」
[メイン] エイハブ : 「……ッ……!!! ザ・ワールドは……『時を止める』スタンドの筈……!!!」
[メイン] act3 : 意図せぬ方向に着弾し、無限の回転は虚しく空を切る
[メイン] 神原駿河 : 「さ、先程手に入れたばかりだというのに……ッ!こうも圧倒されるとは…!!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「言ったろうッ!!!
───俺は全てを『超越』すると、これが俺の『支配』よォッ!!!」
[メイン] 七七 : 「…………こっちの全力が……虫けらみたいに。」
[メイン]
ザ・ワールド :
───突然、ザ・ワールドのビジョンが一瞬揺らぎ
不気味な『オオトカゲ』が映し出され。
[メイン] ジョジョ : 「ッ!?」
[メイン] act3 : 弾丸の着弾跡を素早く自身の足元へ呼び寄せ、攻撃に備え始める
[メイン]
ザ・ワールド :
高層ビルすらも容易に破壊する威力の風圧が───
四方八方へと飛ぶ。
[メイン] 神原駿河 : 「ッ!?」
[メイン] 神原駿河 : 勢いよく迫る風圧に備え、自身が誂えた“黄金回転”による穴に吸い込まれる
[メイン]
ジョジョ :
「うおおッ」
その一撃が複数の傷をジョナサンの身体に付け吹き飛ばすッ!
[メイン] 神原駿河 : 「し、しまったっ!ジョジョ達は、この穴に入れないのか!?」
[メイン]
七七 :
「━━━━う」
猟犬の爪でしがみついていた小柄な体躯は、壁面へと叩きつけられ。
[メイン] ジョジョ : 「『ズーム』ッ!」
[メイン]
ザ・ワールド :
次に浮かび上がるビジョンは───
あまりにも不気味な形容。
[メイン] ジョジョ : そのまま腕を伸ばし危険なものたちを回収ッ
[メイン] 神原駿河 : 「う、うおお!?」
[メイン]
ザ・ワールド :
シュンっ、と音を立ててれば
遠方の山が『蒸発』するかのように消え去る。
[メイン] ジョジョ : そのまま勢いを殺さず後方へ10mゲインしたッ
[メイン] 神原駿河 : 時間切れによる穴の消滅で、“回転”の中から放り出される
[メイン] ジョジョ : (関節を外した痛みは波紋で和らげる)
[メイン] 神原駿河 : 「……さ、さっきからメチャクチャだッ!?」
[メイン] ジョジョ : 「なんてことだ……」
[メイン]
エイハブ :
「ッハァアアッ………クッ……!!!」
なんとか全てを躱す、これも他のメンバーの奮闘による命拾い……!
[メイン] ジョジョ : 「ディオは生物として、『吸血鬼』よりもさらに『上』のステージに到達してしまったのかッ!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「全ての『世界』ッ!!
全ての『時間軸』ッ!!
その生物があの星々に乗ってやってくる……だが途中で概念は燃え尽き
俺の力となるのだ」
[メイン] 神原駿河 : 「……これが、スタンド盤の究極生命だと!?」
[メイン] 七七 : 「…………めちゃくちゃだ。生命なんてものじゃない」
[メイン] 神原駿河 : 「魂の分身、それだけの存在なのに……全てを焼き尽くす恒星以上のように、ドス黒く煌めいている!!」
[メイン] ジョジョ : ガシ、とその辺にあった槍を掴む
[メイン]
ザ・ワールド :
ドス黒い野望とそれを可能にする力を『癒着』させながら
ザ・ワールドが再び向かおうとすると
[メイン]
ザ・ワールド :
「!! フフフ……『ジョジョ』ォ~~~……!
槍で、何ができるッ!!」
[メイン] ジョジョ : 「あの時と同じだ」
[メイン] ザ・ワールド : 「たかが、そんな槍で───『あの時』のようにッ!!」
[メイン] ジョジョ : 「ディオ!きみをこの世にいさせちゃあいけないッ」
[メイン] 神原駿河 : 「ま、待て!?アレが相手では、槍ではどうにもならないッ!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「いいだろう 『一発分』だ
それで気が済めば キサマをもはや吸血するまでもない
運命を共にする事もない」
[メイン] ジョジョ : 「かたをつけるッ!」
[メイン] ザ・ワールド : 腕を広げ、こちらへと向かってくるジョナサンを見据える。
[メイン]
ザ・ワールド :
───何が『精神の爆発力』だ
もはやそんなものを恐れる事もないッ!!! 槍を喰らったその瞬間に
[メイン]
ザ・ワールド :
この拳を叩き込み
地の染みにしてくれるッ!!!
[メイン]
ジョジョ :
ディオが『新たな力』を手に入れた時ッ!
かならず彼には『アレ』が生じるッ!
[メイン] ジョジョ : ダッと走り出し ザ・ワールドの傍に回る
[メイン]
ザ・ワールド :
「───」
さすがだ。このザ・ワールドの動体視力をもってしても、素早い。
だが、それがどうした。
[メイン]
ザ・ワールド :
別れの言葉でも、紡ごうか。
そう思った、その時だった
[メイン]
ジョジョ :
槍をおおげさに振るうッ!
まるで突くのではなく縦に薙ぐようにッ!
[メイン] ジョジョ : 『槍』の使い方としては二流に見えたッ!
[メイン] ジョジョ : しかしッ!次の瞬間ザ・ワールドの目に入るのは何かはためくものッ!
[メイン]
ザ・ワールド :
「───!!!
『何』…………!!?」
[メイン] エイハブ : 「あれは───!!」
[メイン] 神原駿河 : 「──!?」
[メイン] 七七 : 「……え」
[メイン] ジョジョ : 『カーテン』ッ!
[メイン] ジョジョ : かつてジョナサン・ジョースターと『ディオ・ブランドー』が戦った時と同じッ!
[メイン]
神原駿河 :
この時、何も思考できてなといなかったッ!
よもや、ジョジョがカーテンを用いて何をするかなど、理解できる筈がなかった!!
[メイン] ジョジョ : ザ・ワールドの視界と、身動きの自由を同時に奪うッ!
[メイン]
ザ・ワールド :
『視界』を───だがそれがどうしたッ!!!
なまっちょろいッ……小賢しい真似をッ!!! 『あの時』と同じ
見損なったぞジョジョ───
この拳、やはりキサマに撃ち込んでみせよう。
消し飛べっ……!!!
[メイン]
ジョジョ :
スカーレットオーバードライブ
「緋色の波紋疾走!!」
[メイン] ザ・ワールド : 「『無駄ァ』ッ────!!!!」
[メイン] ジョジョ : 『同じ』ならばッ!
[メイン] ジョジョ : これから起こることもまた『同じ』ッ!
[メイン]
ジョジョ :
発火したカーテン!
ゆらめく炎に紛れ、その拳の軌道は間一髪逸れるッ!
[メイン]
ザ・ワールド :
───この拳を……だがッ!!!
たかがそんな拳を喰らった所で……!!!
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン] ザ・ワールド : 瞬間───
[メイン]
ザ・ワールド :
ザ・ワールドの全身に
"一瞬"
[メイン] ザ・ワールド : 亀裂が───入った。
[メイン] ジョジョ : 「ッ!?」
[メイン]
ザ・ワールド :
「何ィイイイッ───!!?」
すぐに『再生』するが、間違いなくその亀裂は入った。
その場にいる全員が、目撃したッ!!
[メイン] エイハブ : 「───仮に、全ての生物の能力を扱えるのなら……そうか」
[メイン] エイハブ : 「『克服』するまでは……すべての生物の『弱点』をも持っている……という事か……!!?」
[メイン] 七七 : 「━━『効いた』ッ!!」
[メイン] マキマ : 「ふむ……」
[メイン] 神原駿河 : 「そういうことかッ!」
[メイン]
ジョジョ :
サンライトイエローオーバードライブ
「山吹色の波紋疾走!!」
波紋の流れる音と共に、ザ・ワールドに拳が叩き込まれ、大きく弾き飛ばすッ!
[メイン]
ザ・ワールド :
この『世界(ザ・ワールド)』は確かに
全ての生物の能力を有し、全てを"支配"せんとする究極の存在。
だがあまりにその生物の情報量は多いッ!! 何百億では済まない
たとえ宇宙の膨張と同じ速度で『克服』していたとしてもッ!!
[メイン]
ザ・ワールド :
「うぐォオオオオオオオオッッ!!!」
弱点はあまりにも多いッ!!!
クラックッ!! どの物質にも『ヒビ』が存在するようにッ!!
[メイン] ジョジョ : 「弱点……!きみは『長所』が伸びたことに集中しすぎて表裏一体なはずの『弱点』に気が付けなかったんだッ!」
[メイン]
エイハブ :
「そうか───!」
まさに同じ。皮肉にもッ! DIOの末路と『同じ』ッ!
『長所』のみを重点に置き、『短所』に見向きもしなかったゆえの痛手ッ!!
[メイン] 神原駿河 : 「全ては、表裏一体か……!!」
[メイン] ジョジョ : 「……だが……それに気付いてもなおッ!圧倒的な生命力ッ!ぼくの『波紋』では完全に断つことはできないッ!」
[メイン] 神原駿河 : なかなか聞いていて耳に痛い言葉だが、『納得』したッ!!
[メイン] 七七 : 「……っ……!! それじゃ……!!」
[メイン] ジョジョ : 「もっと……もっと『パワー』があればッ!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「フッ…………だがすぐに『再生』はできる
が……『JOJO』……このヴィジョンでは、おそらくキサマを『克服』することはできない───……
そして俺の力とならなかったキサマらの『力』は
俺がキサマらを倒さん限りは、おそらく俺の『力』とはなりえない」
[メイン]
ザ・ワールド :
「……『JOJO』 貴様との勝負は……
俺がつける、だが……ザ・ワールドでは相応しくは無いッ!!!」
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン] ザ・ワールド : 刹那、ザ・ワールドの実像がぶれ。
[メイン] ジョジョ : 「……!」
[メイン] ディオ :
[メイン] ジョジョ : 「あ……ああッ!」
[メイン]
ディオ :
「…………俺が相手になろう」
ザ・ワールドと分かれた、それは……
[メイン] ジョジョ : 「そうか……ッ!今のディオは……」
[メイン] ジョジョ : 「『ディオ・ブランドー』という生命体の力さえ、自在に扱えるのかッ!」
[メイン] 神原駿河 : 「な、何ィィッ!?」
[メイン]
ディオ :
「この姿でなければ 『未完成』の『天国の外側』ではまだ貴様を倒す事はできんッ!!」
「さあ……貴様と俺は……『向こう』だッ!!!」
一気に接近し、ジョナサンの丸太のような脚に蹴りを喰らわせる。
[メイン]
ジョジョ :
「ぐうッ!!」
脚に蹴りを入れられながらも組み付き、そのまま部屋を飛び出すように10mゲインッ!
[メイン]
ディオ :
「ぬううッ!!! 『JOJO』ッ!!
最終ラウンドだ……!!! 行くぞッ!!!」
そのままジョジョと共に、『天国の外側』から離れていく。
[メイン]
ザ・ワールド :
「…………」
ザ・ワールド、否、『天国の外側』は
ディオと分かれた途端に、ニタリと口角を上げるのみで言葉を発す事はなくなる。
[メイン] ザ・ワールド : が、……湧き出る『力』と成長性:∞は……変わらないッ!!
[メイン] エイハブ : 「手はもはや止める事は許されないようだな───」
[メイン] エイハブ : 妖刀を、生身の右手で引き抜き───血濡れの"鬼"となる。
[メイン] 神原駿河 : ──思案
[メイン]
神原駿河 :
奴を撃ち倒すのには、初期に比べて数段火力を増したact3でも不可能
新たな段階への条件も、今揃えるには……
[メイン] 神原駿河 : 時間が足りないッ!!
[メイン] 神原駿河 : 「……どうする、誰か奴への切り札を今すぐ用意できると言ってくれないか」
[メイン] マキマ : 「仕方ありませんね。」
[メイン]
エイハブ :
「攻撃の性質を覚えようにも……『無限』に『成長』するってこたぁ……
……!!」
エイハブ、いや、アヌビスがマキマに目をやる。
[メイン] 七七 : 「…………」
[メイン] マキマ : 「できれば、彼は使いたくなかったのですが」
[メイン]
神原駿河 :
「……では、頼む」
これで、終わればそれで良いが……
『準備』を進める
[メイン] ザ・ワールド : 「いいだろう……"支配の悪魔"よ」
[メイン] 神原駿河 : 何か、成さなければ
[メイン] マキマ : 「助けて」
[メイン]
七七 :
「……するが。」
肩を、ぽんと
[メイン] 神原駿河 : 皆、『死んでしまうッ!』
[メイン]
ザ・ワールド :
チェンソーマン
「使ってみろ……"彼"を……」
[メイン] 神原駿河 : 「…?」
[メイン] マキマ : 「チェンソーマン。」
[メイン] 七七 : 「……いま、この場にいるのは……するがだけじゃ、ないでしょ。」
[メイン] : 空から。降ってくる。
[メイン] : 1人の、ヒーローが
[メイン] チェンソーマン : ズシン
[メイン] チェンソーマン : 「アァ〜〜………」
[メイン] 七七 : 「……するがは、一人じゃないから。……だから、全部自分でどうにかしようとなんて、しなくていいんだよ」
[メイン] チェンソーマン : 「はぁ〜〜…マキマさん呼びました〜?」
[メイン] マキマ : 「うん、お願いね、デンジ君。」
[メイン]
七七 :
「……せなが、言ってた。魂は」
「時間を超越するんでしょ」
[メイン] チェンソーマン : 「しっかたねぇなぁ〜〜!!!やるかァ〜!」
[メイン]
七七 :
「……刹那でも、超えてみせて。信じてるから」
構える
[メイン] チェンソーマン : 「オイ!そこの悪党野郎!」
[メイン] 神原駿河 : 「……ああ、任せたぞ!」
[メイン]
神原駿河 :
地面に爪弾を撃ち込み、穴を作ると…
『黄金長方形』の世界に入っていく
[メイン]
ザ・ワールド :
「───……"喰らった"概念を
消し去る……そうだったな、チェンソーマンよ」
[メイン] チェンソーマン : 「あぁ〜?そうだぜ〜」
[メイン]
ザ・ワールド :
「ならば……"食われる前に" "喰らう"のみだ」
───再び、帯電。
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン] ザ・ワールド : 『10万ボルト』
[メイン] ザ・ワールド :
[メイン]
ザ・ワールド :
虚空に亀裂が入れば、高電圧の10万ボルトが
周囲に広がる……!
[メイン] チェンソーマン : 「ぐっうぅぅぅぅ!!!!!」
[メイン] チェンソーマン : 他を守る様に、自らが盾になる
[メイン] チェンソーマン : 「充電してくれてありがとうよォ〜!!!!」
[メイン] ザ・ワールド : 「……"噂通り"だッ……!」
[メイン] チェンソーマン : 「お陰でフル充電だァァァァ!!!」
[メイン] エイハブ : 「その電撃の軌道……"覚えた"ぞッ!!!」
[メイン] エイハブ : チェンソーマンと、偶然にも"息"を合わせ。
[メイン] チェンソーマン : 「行くぜ〜赤いおっさん!!」
[メイン] チェンソーマン : ───その場でジャンプをし、奴へと近付き
[メイン]
エイハブ :
「ああ……」
背後の七七に目をやり、コク、と頼むように頷くと
[メイン] チェンソーマン : 奴へと片腕のチェーンを当てに掛かる
[メイン]
エイハブ :
刀で、弧を描き───
チェンソーマンとは別の方向から、刀を振り下ろす。
[メイン]
七七 :
「……。」
こくん。
[メイン] ザ・ワールド : 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ───ッ!!!!!!」
[メイン] ザ・ワールド : 圧倒的な力が伝わり、拳に亀裂が入るがッ……!
[メイン] ザ・ワールド : 跳ね返すッ……!!!
[メイン] チェンソーマン : 「こちとら無駄なモンなんかねえんだよォぉおおおお!!!!」
[メイン] 七七 : 姿を消し、飛び上がって……『生』と相反する力をその身に跳び交わせる。
[メイン] エイハブ : 「ッ……!!!」
[メイン]
エイハブ :
チェンソーマン以上に、衝撃が伝わり
思わず、義手で刀を掴み正気に戻る。
[メイン] 七七 : 「喰らい尽くせ……余り溢れる『生』をッ!!」
[メイン] アヌビス神 : エイハブ───構わねえッ! おれを投げろッ───!!!
[メイン] エイハブ : 「!」
[メイン] エイハブ : 「ウオオオオオオオ────ッッ!!!」
[メイン]
ザ・ワールド :
チェンソーマンの二撃目。
そして、目の前から妖刀の投擲。更に、こちらを喰らいつくそうとする『透明』の存在ッ!!!
[メイン]
ザ・ワールド :
それでもなお、『天国の外側』はラッシュを繰り出すッ!!
さらにその拳が描く奇跡は『芸術』さえも感じるほどに磨きがかかり。
[メイン] マキマ : 「…そこだよ。」
[メイン] マキマ : 指鉄砲にし、放つ。
[メイン] マキマ : 「ぱん。」
[メイン]
ザ・ワールド :
刹那、腕を交差させ───指鉄砲を防ぐ。
勢いよく後ずさるが……ニタリと笑い、その掌には『光』が凝縮していた。
[メイン]
ザ・ワールド :
「───!!!」
そのまま、光を地面へと叩きつけ、圧倒的破壊を見せつけるッ!!!
[メイン] 七七 : 「……!! まず……ッ!!」
[メイン]
:
破壊───地が揺れ、亀裂が走り
視界の全てが砂埃と、礫によって塞がれる。
[メイン] 神原駿河 : 穴から飛び出るようにして、その場に現れるッ!
[メイン] エイハブ : 「……! 駿河」
[メイン] エイハブ : 血まみれになりながら、駿河へと駆け寄る。
[メイン] チェンソーマン : 「おせぇんだよ!」
[メイン]
神原駿河 :
「なっ───!?」
戻った途端全てを覆うような砂塵の帷
敵を視認でき愕然とする
[メイン] 七七 : 「……っ」
[メイン] 神原駿河 : 「切り札を携え戻ってくれば、よもや敵を見失うとは…!?」
[メイン] エイハブ : 「……『次』が来れば、終わりだろうな……」
[メイン] 左腕 : 腕は溢れんばかりの回転に震え、骨が軋みを上げている
[メイン] 神原駿河 : 「せ、せっかくのACT4もこのままでは自滅──だと!?」
[メイン] エイハブ : ───どうする。どうすればいい。
[メイン] 神原駿河 : 回転が神原の体を登り、分解を始めている
[メイン] 神原駿河 : 放たなければ、死ぬ
[メイン] 神原駿河 : だが、敵へ叩きつけなければ意味がない
[メイン] 七七 : 「…………!!」
[メイン] 神原駿河 : 「よもや、ここまでなのか…!?」
[メイン]
エイハブ :
「───七七」
すると、駿河と
もしも放てなければ『運命』を共にするとでもいわんばかりに、『支える』
[メイン] 神原駿河 : 「なっ!?」
[メイン] マキマ : 「……未来の悪魔。未来を見せなさい。」
[メイン] 七七 : 「……。」
[メイン]
エイハブ :
「…………俺は軍人だ
───探って見せるさ、それに……」
七七に目をやり、ニヤリと笑みを浮かべる。
[メイン]
左腕 :
黄金の回転の勢いは、既に神原の上腕部を覆い尽くしている。
はち切れそうな勢いを、大きな手にまずは抑えられる
[メイン] 七七 : 「……うん。信じてるって、言ったから」
[メイン] 未来の悪魔 : …………いずれ分かる。
[メイン] 神原駿河 : 「………」
[メイン] 七七 : その反対側に回り込んで━━寄り添うように『支える』。
[メイン]
神原駿河 :
危険だ、離れろ
逃げろ、隠れろ
[メイン] 神原駿河 : そんな言葉が浮かんだが
[メイン] 神原駿河 : 「ああ、そうだ」
[メイン] 神原駿河 : 「私には、君達がいたんだった」
[メイン]
エイハブ :
「…………」
目を瞑る。そして……七七と、駿河と共に───探る。
そして『覚悟』を『決める』。
[メイン] マキマ : 「…………そういう事か。デンジ君」
[メイン] 神原駿河 : 目を閉じ、第六感に全てを掛けて時を待つ
[メイン] チェンソーマン : 「あぁ〜!?なんだァ〜!マキマさん!」
[メイン] 七七 : ━━見える。確かに……そこには、生命の鼓動が。
[メイン] 神原駿河 : ──今、わかった
[メイン] 神原駿河 : 撃つべき場所がッ!
[メイン] エイハブ : ───ありがとう、クワイエット。
[メイン] エイハブ : 見えた。
[メイン] 神原駿河 : 息を深く吸い
[メイン] マキマ : 「足止め、お願いね。」
[メイン] 七七 : 気持ちを確かめるように……こくんと。
[メイン] チェンソーマン : 「ったく…人使いが荒いぜ〜!!!……………」
[メイン] チェンソーマン : 「『其処』だなァあああああ!!!!」
[メイン] 左腕 : 左腕は、もうブレない
[メイン]
ザ・ワールド :
「───!!!」
寸前、砂煙という『壁』の向こうに感じる
漆黒と黄金のまじりあった……『精神』ッ!!!
[メイン] チェンソーマン : 「オラァああああああああ!!!!」
[メイン] ザ・ワールド : 「!!?」
[メイン] 神原駿河 : 「”牙“ッ!!ACT4ォォ!!」
[メイン] 左腕 : タイミングを合わせ、躊躇なく砂塵の向こうへと“牙”を解き放つ
[メイン]
ザ・ワールド :
「───無駄ァ……!!!」
チェンソーマンの一撃を薙ごうとした瞬間。
[メイン] ザ・ワールド : 突き刺さる───妖刀ッ!!!
[メイン] アヌビス神 : 「……おとなしく喰らいな───」
[メイン] act4 : 砂や瓦礫を裁断しながら、エネルギーの籠った“牙”から、大きな“影”が姿を表し
[メイン] act4 : 「チュミミーン!」
[メイン]
ザ・ワールド :
「…………!!!」
チェンソーマンの一撃を受け止めきれず、全身に亀裂が入り
0.00000000……だが『間隙』が生まれる。
[メイン] act4 : やっと捻り出された隙に、ACT4がたどり着いた
[メイン]
act4 :
ザ・ワールドへ向け、大きく拳を振り上げ
[メイン] ザ・ワールド : 「───無」
[メイン] ザ・ワールド : 拳を虚空に切ろうと、
[メイン] ザ・ワールド : が……!
[メイン] act4 : 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
[メイン]
act4 :
空を切る拳諸共に、強引に死出の拳を叩き込む
この渾身の一時をカケラも逃さないよう
狂気さえ感じる濃度で、『黄金の回転』を拳に込めて殴り付ける
[メイン]
ザ・ワールド :
「─────!!!!!」
それに対照的に、渾身の一時のカケラも"進める"ことはできず
その濃度に押され、漆黒の巨躯に亀裂が入っていくッ!!!
[メイン]
ザ・ワールド :
これが
───『黄金の回転』
『天国の外側』の拳はいくら触れようとしても、もはや『手遅れ』ッ!!!
[メイン]
act4 :
ラッシュの勢いが最高潮に達すると同時
“左腕”を勢いよく振り抜き──ッ!!
[メイン] act4 : 「オラァァァァ!!!!」
[メイン]
ザ・ワールド :
『天国の外側』が蓄えた力が、光の粒となりて発散されていくッ!
何百ッ───何千ッ何万ッ何億ッ何兆ッ───!!!!!!
最後に残った『力』はッ!!!!!!
[メイン] act4 : 最高速を更新して、全身全霊を叩き込むッ!!
[メイン]
ザ・ワールド :
「『世界』───時よ……!!!」
が、間に合わずッ!!!
[メイン]
ザ・ワールド :
『天国の外側』は、まるで存在しなかったかのように
消えていく。まるで千切れていく雲のように、消えていく。
[メイン] ザ・ワールド : 無限回、その力を殺されるッ!!!
[メイン] act4 : 最後の一撃を叩き込みながら、敵へと無限の回転エネルギーと同時に浸透する
[メイン] act4 : 無限の回転は、人体に撃ち込まれれば細胞を破壊して身体を分解する
[メイン] act4 : が、敵が魂のスタンドであれば──
[メイン]
:
アウターヘブン
『天国の外側』は最後の最後
ザ・ワールド
『世界』へと戻り。
ゼロ
そして───『虚空』へと還った。
[メイン]
act4 :
“カケラ”も残さない
放たれた側も、放った側も回転に呑まれ、誰もいなくなった
[メイン] 神原駿河 : 「ハァッ……ハァッ…!」
[メイン]
:
それと同時───
ドッカァアアアアアアン!!!!
派手な音で床を突き抜ける巨漢ッッ!!! そして落下と同時───
[メイン] : 『爆裂』ッッッ!!!
[メイン] :
[メイン] ジョジョ : 瞬間ッ!覗かせるはふたりの姿ッ!!
[メイン]
ディオ :
「………………」
[メイン] ディオ : 「………」
[メイン] 神原駿河 : 「なッ!?」
[メイン] 神原駿河 : 「ジョースター卿ッ!?」
[メイン] ジョジョ : 「みんなッ!!!この『施設』は今燃えているッ!!!すぐに『脱出』するんだッ!!!」
[メイン] エイハブ : 「……わかった───」
[メイン] 神原駿河 : 「……理解したッ!が、ディオはどうすれば!」
[メイン]
七七 :
「…………ッ」
顔をこわばらせて
[メイン]
ディオ :
「安心しろ」
その時、スタンドを超越していたとはいえ『天国の外側』を破壊されてもなお生きているディオは
予想外の言葉を口にした。
[メイン] ジョジョ : 「ディオとの決着は……ぼくが付けるッ!!」
[メイン] ディオ : 「こいつの、言う通りだ」
[メイン] ディオ : 「決着は、付く」
[メイン] ジョジョ : 「いや……」
[メイン] ジョジョ : 「『付ける権利はぼくにだけある』ッ!!!」
[メイン]
ディオ :
「───ああ、だから
最後の一撃……これは俺達だけの『世界』だ」
[メイン] 神原駿河 : ……強引に身につけたACT4の反動で、もうディオを相手に放てる爪弾は、無い
[メイン]
ジョジョ :
再びッ!踏み出して!!
抱きつくように落下するッ!!
[メイン] 神原駿河 : 「……逃げるぞッ!」
[メイン] チェンソーマン : 「しっかたねえなぁ〜〜!!勝てよォ〜〜!!!」
[メイン] アヌビス神 : 「お おいィ~~!! 待て! 置いてくなッ……!」
[メイン]
エイハブ :
「……」
アヌビスを回収し。
[メイン] エイハブ : 「行こう」
[メイン] マキマ : 「行きましょうか。」
[メイン] 七七 : その言葉にはっ、と意識を戻して。
[メイン] 七七 : 「……死んだら、許さない。」
[メイン] 神原駿河 : 「……検討を祈るッ!」
[メイン] ジョジョ : 「……ああッ!!」
[メイン]
:
そして───この瞬間、この場は『二人』ッ!!!
『二人だけの世界』が広がった。
[メイン] :
[メイン] :
[メイン]
:
ザ・ワールド
『世界』
[メイン] :
[メイン] :
[メイン] ディオ : 「…………」
[メイン] ディオ : 「見えているな」
[メイン] ディオ : 「『JOJO』……」
[メイン]
ディオ :
「時の止まった世界を…………そして
動けるな」
[メイン] ジョジョ : 「……勿論だ」
[メイン]
ディオ :
「───『JOJO』
これが正真正銘最後の時間停止だ」
[メイン] ジョジョ : 「きみはかつて言った……ぼくときみほど練られた運命はないと」
[メイン] ジョジョ : 「そしてぼくたちの運命はまた……今ここで一つになったッ!!」
[メイン]
ディオ :
「───ジョジョ
おまえがいたからこそ 俺がいる
…………まさに"奇妙"な"友情"だったな」
[メイン] ディオ : 「───」
[メイン] ディオ : 一歩、前へ踏み出し。
[メイン] ディオ : 放つ。
[メイン] ディオ : 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
[メイン] ディオ : 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
[メイン] ディオ : 無駄無駄無駄無駄無駄無駄
[メイン] ディオ : 無駄無駄無駄無駄ァァア─────ッッッ!!!!!!!!!!」
[メイン] ジョジョ : 「おおおおおおおおッ」
[メイン] ジョジョ : 「ふるえるぞハート!!」
[メイン] ジョジョ : 「燃え尽きるほどヒート!!!」
[メイン] ジョジョ : 「刻むぞ、血液のビートッ!!!」
[メイン]
ジョジョ :
サンライトイエローオーバードライブ
「山吹色の波紋疾走ッ!!!」
[メイン]
:
ぶつか
二つの衝撃が、今衝突る。
[メイン] :
[メイン] :
[メイン]
ディオ :
ジョジョ。
俺はディオであって、ディオではない。
[メイン] ディオ : 俺は、貴様の見ていた。
[メイン]
ディオ :
ファントムペイン
『幻肢痛』 なのだ
[メイン] ジョジョ : 一歩、さらに踏み出して
[メイン] ジョジョ : 「おおおおおおッ」
[メイン] ジョジョ : 「このナイフはッ!!!!」
[メイン]
ディオ :
「───!!!」
[メイン] ジョジョ : 「きみが『遺した』ものの」
[メイン] ジョジョ : 「ナイフだァーーーーーッ!!!」
[メイン] ディオ : ナイフが、突き立てられ───俺の肉体に『亀裂』が入る。
[メイン] ディオ : だが、不思議と───嫌な感じはしなかった。
[メイン] ジョジョ : そのまま二人の身体は離れッ!!
[メイン] ジョジョ : 崩れゆくディオの身体の先には……
[メイン]
ディオ :
俺という存在は、すでに1987年に死んでいるのだ。
世界の見せる『幻視』……この血飛沫でさえ、幻のようなものなのだ。
ファントム・ブラッド
『幻視』 …… 『血』…………
[メイン] ジョジョ : SPW財団が『ジョースター家』に起きた出来事を忘れぬ為作った、守護神のレプリカッ!!
[メイン] ジョジョ : 『慈愛の女神像』ッ!!!
[メイン] ディオ :
[メイン]
ディオ :
『絶叫』
その代わりに
[メイン] ディオ : 俺の身体は
[メイン] ディオ :
[メイン] ディオ :
[メイン]
:
モルフォ蝶となりて
霧散、した。
[メイン] :
[メイン] :
[メイン] :
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン] ジョジョ : その勢いのまま、ジョジョの身体は建物の外に投げ出される
[メイン] ジョジョ : 『ジョースター邸』が燃えた、あの日と同じように……
[メイン] エイハブ : 「!! ジョジョ────!!!」
[メイン] 神原駿河 : 「ッ!?」
[メイン] マキマ : 「…………………」
[メイン] 七七 : 「しまっ……!!」
[メイン]
神原駿河 :
爪弾を放ち、木を削りだし
大きな綱のような物を作り出す
[メイン] アヌビス神 : 「…………いや……! これは……!」
[メイン] 神原駿河 : 「後は、これで受け止めれば──ッ!」
[メイン] ジョジョ : その身体は、網に受け止められて
[メイン] ジョジョ : 何処か安らかな表情で、眠っていた……
[メイン] :
[メイン]
:
DIO…
『世界』
―――――完全敗北…死亡
[メイン] :
[メイン] エイハブ : 「……!!!」
[メイン] エイハブ : 流星群となりて落ちてきたはずの星々が元へ、戻っていく……。
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ : 「この俺も……か」
[メイン]
エイハブ :
手を広げれば、徐々に光の粒となりて
消え失せていく。
[メイン] 神原駿河 : 「なっ…!?」
[メイン] 七七 : 「……え?」
[メイン] エイハブ : 「…………俺は、"帰る"時が来たようだ」
[メイン]
神原駿河 :
「……そう、か」
「貴方も、彼に引き寄せられていたのか…」
[メイン] マキマ : 「………………なるほど、そういう事でしたか。」
[メイン] エイハブ : 「そのようだ……フッ」
[メイン] 七七 : 「…………!!」
[メイン] 神原駿河 : 「だが、そんな…こんなに、早くなくてもっ…!」
[メイン]
アヌビス神 :
「おいッ!!! こんな場面でかっこつけて消えようとすんじゃあねえぞォ~~~!! うっ うっ おわっ!」
刀身だけが残り、他は朽ちていく。
[メイン] 神原駿河 : 目から涙を流し、地面を強く殴りつける
[メイン]
七七 :
立ち上る粒を、必死に上から押さえ込もうとするも……
指の隙間から溢れるばかり。
[メイン] デンジ : 「…赤いおっさん、名前聞いてなかったな」
[メイン] 神原駿河 : 「まだ、何も返せていない、礼さえ言い切れていないのに……!」
[メイン] エイハブ : 「…………いや、十分返してもらえたさ……」
[メイン]
エイハブ :
「チェンソーマン、だったな
アンタこそ名前はなんだ」
[メイン] デンジ : 「アァ?俺は……デンジだよ」
[メイン]
エイハブ :
センス
「そうか デンジ……いい名前だな」
[メイン]
デンジ :
「…………………」
頭を掻く
[メイン]
エイハブ :
「───俺は、ただ元の場所へと戻るだけだ
そして……『天国の外側』と共に、煙となって消え失せるだけだ」
[メイン] エイハブ :
[メイン]
エイハブ :
「だから……泣くな
……俺の事を覚えてくれるなら、それでいいさ」
[メイン] エイハブ : 「…………」
[メイン] エイハブ : 「最後に、教えてやる」
[メイン] エイハブ : 「俺の」
[メイン] エイハブ : 「名前は────……」
[メイン] エイハブ :
[メイン] エイハブ :
[メイン]
:
その名前は、きっと誰にとっても『平凡』であったが
それが彼の名前であった。
[メイン] アヌビス神 : 「…………バカヤローがよ……」
[メイン] マキマ : 「お疲れ様でした。スネーク。いえ…………」
[メイン] 七七 : 地を向いて、ポケットに挟み込んだ手が━━止まる。
[メイン] 七七 : 「…………忘れない。」
[メイン] 七七 : 「…………メモなんか、なくったって……忘れない。……絶対。」
[メイン] 神原駿河 : 神原は、何度もその“名前”を呟き
[メイン] 神原駿河 : 空を仰ぎ、涙で滲んだ星々を目に焼きつけた
[メイン] デンジ : 「あぁ、それでいいと思うぜ。誰からも…覚えて貰えなくて……忘れられたら……本当に無くなっちまうからな。」
[メイン] デンジ : 「……………なぁ、アキ。」
[メイン] デンジ :
[メイン] デンジ :
[メイン] デンジ :
[メイン]
ジョジョ :
[メイン]
ジョジョ :
[メイン]
ジョジョ :
[メイン] ジョジョ : 「そうか。彼はもう『帰る』事が出来たんだね」
[メイン] ジョジョ : 「……ぼくもきっと、もうすぐ帰らないといけないんだろう。死人はいつまでも、いちゃいけない」
[メイン] ジョジョ : 「だけど……まだ一つやる事がある」
[メイン] ジョジョ : 彼の遺した、『石仮面』と向き合って
[メイン] ジョジョ : この時代にまで名を残した彼のように、ハンマーを持って、それを叩き割った
[メイン] ジョジョ : 「『大袈裟かもしれないけど、世界は救われた』」
[メイン]
神原駿河 :
「……そうだな」
「きっと、そうに違いない」
[メイン] マキマ : 「そうですね。ですが…」
[メイン]
マキマ :
「まだやる事があります。」
DISCを拾い上げる。
[メイン] ジョジョ : 「……」
[メイン] デンジ : 「アー?なんだそりゃ、マキマさん。」
[メイン] マキマ : 空へと投げ。
[メイン] マキマ : 「ぱん。」
[メイン] : DISCは、粉々に砕け散る。
[メイン] 神原駿河 : 「……今のは」
[メイン] 七七 : 「……?」
[メイン] マキマ : 「…通信で聞いていた、スタンドのDISCです。」
[メイン] マキマ : 「これで、任務完了と言えるでしょう」
[メイン]
アヌビス神 :
「…………何がなんだかわかんねェ~が……これで全て、終わったのか」
刀身だけになりながらも、地面に突き刺さり。
[メイン] 神原駿河 : 「……ああ、終わったんだ」
[メイン] マキマ : 「えぇ、終わりましたね。全てが」
[メイン] 七七 : 楽しげにぱきぱき、と仮面の残骸をさらに細かく踏み潰す。
[メイン] ジョジョ : 「……ああ。終わった」
[メイン] 神原駿河 : 「……あの悍ましい石仮面も、砕けてしまえは新雪のようだ」
[メイン] デンジ : 「つーかよ…………マキマさん以外知らない人だらけなんだけどぉ!?」
[メイン] ジョジョ : 「ぼくの役目も……」
[メイン] ジョジョ : ジョナサンの身体は既に端から薄まり始めていた。
[メイン]
七七 :
「七七だ。」
デンジの方をくるりと。
[メイン] マキマ : 「………………貴方も、でしたか。」
[メイン] デンジ : 「七七かァ〜!よろしくなァ〜!!俺あデンジだ」
[メイン] 神原駿河 : 「……貴方も、なのですね」
[メイン]
七七 :
「でんじ……」
メモを取り出そうとしたところで、ジョナサンに気付く。
[メイン] デンジ : 「消えかかってんけど……あんたも行っちまうのか?」
[メイン]
ジョジョ :
「ぼくも元々あの日死んだ人間だ。ディオと同じで」
「そうあるべき場所に戻るだけさ……」
[メイン]
神原駿河 :
「…ジョースター卿、今なら子孫の方々に遺言などが残せるかもしれない」
「何か、伝えたい事は」
[メイン] ジョジョ : 「そうだな……」
[メイン] 十六夜咲夜 : その場に、目を覚ました彼女がやって来る
[メイン] マキマ : 「…目覚めましたか。」
[メイン] ジョジョ : 「……?」
[メイン] 七七 : 「……」
[メイン] 七七 : 「『さくや』。」
[メイン] 神原駿河 : 「!」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「また奇妙な感覚を感じてやってきたら……父さんじゃない、のね」
[メイン] ジョジョ : 「父さん……?」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「私は……」
[メイン] ジョジョ : 「……まさか……ディオの……」
[メイン] 七七 : ……こくり。
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……ええ」
[メイン] ジョジョ : 「君たちが戦った『ザ・ワールド』は……もしかして、彼女だったのかい?」
[メイン] 七七 : 「……うん。でも、今は、大丈夫って。……ね、まきま」
[メイン] マキマ : 「えぇ、今の彼女なら大丈夫でしょう」
[メイン] ジョジョ : 「……そうか」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「何の根拠で……」
[メイン] マキマ : 「残念な事に、貴方の名前を聞いた彼はもう逝ってしまいましたからね。それに…」
[メイン] ジョジョ : 「……そうだ、遺言だったね。これは、ぼくの子孫だけじゃなくて……きみにも聞いてほしい」
[メイン] ジョジョ : 「血の運命……確かに逃れられないものかもしれない」
[メイン] ジョジョ : 「だけど……『逃げる』ことはできなくても、『断ち切る』ことはできる。それを、覚えていてほしい」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……貴方、何様のつもりよ。どこの立場でそれを言ってるの」
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アヌビス神 :
「……十六夜 咲夜……
アンタは、操り人形でも、殺人人形でもない
『幻在』を見ていただけに過ぎない……」
「お前はお前だ」
[メイン] アヌビス神 : 「……そう アイツは言っていたな」
[メイン] ジョジョ : 「そうだね……紳士として失格だった。この場にいる人全員に、挨拶をしていなかった。改めて……」
[メイン] ジョジョ : 「『ジョナサン・ジョースター』」
[メイン] ジョジョ : 「『ジョジョ』だ」
[メイン] 十六夜咲夜 : 「……『JOJO』……」
[メイン] 神原駿河 : 「……ああ」
[メイン] 七七 : 「うん。」
[メイン] ジョジョ : より一層、その姿は薄まって
[メイン] デンジ : 「ジョジョか……付き合いとしては、短い間だったが覚えておくぜ」
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アヌビス神 :
「フッ……聞き覚えしかないさ
ジョナサン・ジョースター…………おまえの雄姿……『覚えた』ぞ」
[メイン] ジョジョ : もうそこに、ひとりの『紳士』の姿は残っていない……
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一八八九年 2月7日
ジョナサン・ジョースター 死亡
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二〇XX年
ジョナサン・ジョースター …………
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[メイン] : 「───そして "時は動き出す" 」
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ジョジョの奇妙な冒険
戦闘卓流 完